ああ・・・今回も月をまたいでしまったわ・・・
それでも続けることに意味があると信じて、楽しみにしていてくださる貴重な読者さまたちのためにも、くじけないのだわ!
まずはコージーミステリ。もうね、表紙だけで私ごのみだとわかっちゃいますね。
『Six Feet Deep Dish』 by Mindy Quigley
シリーズ:Deep Dish Mystery #1
カテゴリ: コージーミステリ
古くからシカゴ・マフィアの隠れ家として、またリゾート客を集める観光地としても栄えてきたジェネバ・ベイに深皿ピザの店を開いたデリラ・オレアリーにとって、未来は大きく拓けているはずだった。ところが、いっしょに人生を歩んでくれると思っていた裕福な婚約者から開店前日に別れを告げられてしまった。残されたのはぽっちゃりトラ猫のバターボールだけ。
しかも、たまたま見つけた死体のそばで凶器を手にしてぼう然としていたのはデリラのおばだった。伝説的なマフィアの子孫だというハンサムな刑事にもおばの犯行と決めつけられ、このままでは店を開けるどころではないとまで言われては、自分で真犯人を見つけるしかない!
“深皿タイプのピザ”というのがもう、食いしん坊にはたまらんですね。ミステリーとしてはどうってことなさそうですが、おいしいものと猫がでてくればそれだけでOKともいえるので。ジェネバ・ベイは架空の町のようですね。ちなみにウィスコンシンで水辺のリゾートというとミシガン湖畔をイメージするのだけど、ミルウォーキーの南西にもっと小さいジェネバ湖というのがあるのでそっちが舞台なのかな?とも思います。ギャングの隠れ家にはそのくらいマイナーな場所のほうがありそうだし。
つづいてゾワっとしそうなサスペンススリラーを。
『The Lodger』 by Valerie Keogh
シリーズ:non
カテゴリ:心理スリラー
リー・シモンズは、自分でもどうしてそんなことをしたのかよくわからなかった。一時の気の迷い、かもしれない。ともかく、行きつけのコーヒーショップのウェイトレスがホームレスだと知って、空いている自宅の一室に彼女を住まわせることにしたのだ。人生に行き詰った孤独なリーは、下宿人として申し分のないジーナにしだいに魅了され、のめりこんでいった。
ある日、出張から帰ったリーはジーナがいなくなっていることにショックを受ける。いったいなぜ、どこへいってしまったのか? もしや何かおそろしいことが起きているのでは……? ジーナを見つけようとするうちに明らかになってきたことは、リー自身の人生をも覆すことになる。
人に貸せるような空き部屋があることじたい、日本(とくに都市部)ではなかなかイメージしにくいけれど、だからって下宿させようとするならもう少し調べるでしょうに――といっても、個人でやるのは限界もあるよね。そんなありそうでなさそうなシチュエーションから始まる本作、いやな予感しかしない時点でスリラーとして最高なんじゃないでしょうか。
今月はカリン・スローターのノンシリーズ作品『Girl, Forgotten』も発売されました。相変わらず内容もボリュームもヘビーな感じで、これも邦訳を楽しみに待ちましょう。
最後はSF。宇宙物はあまり得意ではないけれど。
『Eleven Days』 by D. Ward Cornell
シリーズ:non
カテゴリ:SF
皆既日食の最中に謎の物体が太陽をかすめ、世界中のテレビやラジオの放送が混乱した。
主要国の首都の上空に、突如として悪意に満ちた人工物が飛来した。
人々は恐れおののき、社会は崩壊しはじめた。
その物体に最初に気づいて警鐘を鳴らしたのは、かつてNASAの科学者だったジャスミン・エヴァンスだった。昔の仲間たちを呼び集めて調査を始めたジャスミンは重大な発見をする。
あらゆるものは、見た目通りとはかぎらない。
人類の運命が決まるまで、あとわずか11日。ぐずぐずしているヒマはない!
今年出たばかりのデイヴィッド・ウェリントン『最後の宇宙飛行士』でも、謎の物体が地球に近づいてきたことで急遽対応が求められるストーリーでしたが、こちらはいかに優秀な頭脳を集めるといっても現役ではないわけで、たったの11日でいったい何をどうできるというのか、気になるところです。
〈老人と宇宙〉シリーズや〈レッドスーツ〉シリーズでおなじみジョン・スコルジーの新刊は『Agent to the Stars』、舞台が宇宙に広がっても“ショー・マスト・ゴー・オン!”という芸能エージェントのストーリー。広大な宇宙で、誰もが楽しめるエンタメって成立するのかな?
8月はお仕事受注もなく、たっぷり読書できたのはよかったけれど、ファンタジーの洋書がたてつづけに世界観に入りこめなくて挫折してしまったのは痛恨の極み。もしや、まったくの異世界の人名や固有名詞になかなかついていけないのは老化の証し? いやいや、たまたまだったと思いたい。なにしろまだたっくさん積んであるんですからぁ!