つぎはコレ読みたい ~積ん読は積ん徳なり~

積ん読は積ん徳。駆け出し翻訳者が毎月「コレ読みたい!」新刊本を紹介しています。ミステリ全般、コージーミステリ、SF&ファンタジーを中心に。

気になる新刊 ~2023年4月~

3月末に大きな仕事に一区切りついて、「ま、一週間くらいはお休みモードでいいよね」とのんびりしていたら、一週間なんてあっという間。

「まあまあ、この半年くらいは入院とか通院をのぞけばほとんど休みなしだったんだし、もうちょっと休んでもいいよね」なんて言いわけしてたら気づけば4月が終わってるし、なんならゴールデンウイークもとっくの昔に終わってました。

体調にはとくに変わりなく、免疫力は落ちてるはずだけど自覚症状もないのでふだん通りに生活してるのに、すっかり怠け癖がついてしまったみたいで、ブログ更新もすっとばしちゃいました。

 

というわけで今回は4月と5月に発売された新刊をつづけて紹介しちゃいますよ~!

まずは4月刊行分のコージーミステリから。

『Ashes to Ashes, Crust to Crust』 by Mindy Quigley

シリーズ:Deep Dish Mystery #2

カテゴリ: コージーミステリ

 

 湖のそばのリゾートタウンでシカゴ風のディープディッシュピザの店を営むディライラ・オリアリーは、店の財政状況を一気に改善すべく、町で毎年催される料理コンテストの優勝賞金に狙いを定めた。最大のライバルとなるのはジュースバーのオーナー、ジョーダンだ。

 ところが、ジュースバーでスムージーを飲んだ客が毒殺されたことから町は大騒ぎになる。誹謗中傷が飛び交い、誰もが怪しく思えてくる中、有名シェフまでコンテストに乗りこんでくるとわかってディライラの勝算もおぼつかなくなってきて……。

 

 ディープディッシュピザ、おいしそうですね~。宅配チェーンのピザ屋さんでは見かけたことないけど、どこかのレストランでなら食べられるかしら。コージーミステリの例にもれず、このシリーズにもうざい元彼やら口うるさい大おばさん、ちょっと気になる刑事さん、“骨太”ネコチャンなどなど、クセのあるキャラたちがそろっていてサイドストーリーにも事欠かない雰囲気が楽しみです。

 

お次はスリラーミステリ。

『You Should have Known』 by Rebecca A. Keller

シリーズ:non

カテゴリ:スリラー

 

 看護師の職を引退して高齢者向けアパートメントで暮らすフラニーは、ふとしたことからとなりに住むキャサリンの夫が裁判官だと知った。しかも最愛の孫娘の死になんらかのかたちでかかわっていたにちがいない男だ。復讐したい気持ちと医学的知識にそそのかされるようにして、カートに乗せておいてある医薬品に細工をしてしまったフラニーだが、その翌日に別の人が死んでしまったことで、自分がしたことの重大さに気づいた。

 警察の捜査がはじまり、フラニーには無実であることがわかっているある人物に容疑がかけられる。後悔にかられたフラニーはなんとか事態を収拾しようとするが、思っていた以上に複雑な背景が見えてくる。

 

 高齢者が主役となって事件解決にあたるミステリ作品、最近多いですよね。それだけ高齢者の数も増えてるし、ひと昔前よりずっと元気だし、それぞれの人生経験は平凡なようでいてもいろんな知見を持っているから、面白い作品が増えてくるのも必然かもしれない。

 でも元医療関係者という経歴があって、ちょっと魔が差したせいで加害者になってしまうところからの探偵役というのは、めずらしいかも? 『かくて彼女はヘレンとなった』のキャロライン・B・クーニーが好きな人におススメ、ともあるのでご参考に。

 

 4月にはこのほか、ケイト・モートン『Home Coming』、メアリー・ヒギンズ・クラーク『Where Are the Children Now?』、エリー・グリフィス『The Last Remains』(Ruth Galloway #15)、デニス・ルヘイン『Small Mercies』も出ました。

 

そしてSFはこちら。

『The Blind Spots』 by Thomas Mullen

シリーズ:non

カテゴリ:SF

 

 7年まえ、わずか数か月のあいだに世界中の人間が視力を失った。人々が新しい日常(ニューノーマル)になじめたのは、最新のテクノロジーによって視力に近い映像を脳に直接ダウンロードできるデバイスが開発されたおかげだ。だがその映像が故意にねじ曲げられたとしたら……?

 〈失明禍〉以前から殺人課の刑事だったマーク・オーウェンズは、ある科学者が殺された事件で唯一の目撃者が「犯人はとつぜん視界から消えた」と証言したとき、まったく信じようとしなかった。だがそれと同じ状況で、彼の目のまえで殺人事件が起きた。自分の見ているものすら100%は信用できないというなかで、どうやって捜査しろというのか?

 

 アンソニーホロヴィッツスティーブン・キングケン・フォレットらが絶賛する作家さんですが、まだ邦訳はないのかな? 本作は映画『マイノリティ・リポート』(原作はフィリップ・K・ディック)以来の独創的な犯罪小説、と銘打っているあたりも気になるポイントです。

 

 

とりあえずここまで。

5月刊行分は近日中に。きっと。

 

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