グズグズ考え迷った結果
もとから新年の抱負だとかゴール設定とかをまじめに考えるほうでもないし、考えてもすぐ忘れてしまうタイプなのですが、今年はなにやらグズグズと考えているうちになんとまあ、もう2月も後半ですわ(笑)
昨年参加した、翻訳にかかわるとあるセミナーというかワークショップで、出版社の編集者さんから
「近頃はもう持ちこみから翻訳書がでることはほぼない」
という見解をうかがいました。あくまでもこの方の周囲だけなのかもしれないし、業界全体としてもそういう方向なのかもしれませんが、私としても未訳の原書を探し出して企画書書いて……というやり方に疑問を持ち始めていたこともあり、作戦を立てなおそうと思った次第です。
まだ訳書がほとんどない駆け出し翻訳者の営業活動として、自分を売り込むためのポートフォリオがわりのレジュメは常に新しいものを用意しておこうとは思いますが、むやみやたらと新刊を狙っていても骨折り損のことも多いような気がしてきたのです。
どうせ新刊をながめ渡して興味のあるものをピックアップするなら「このへんに興味あり、訳してみたい!」というものを並べておけば何かの参考にしてもらえるかも、と期待して始めたこのブログも約7年半続けてきたわけですが、さすがに見直しが必要だよな、という結論にいたりました。
やめてしまうのか、かたちを変えてつづけるのかもまだ模索中です。いったんここでお休みしようと思います。
いつも見にきてくれてるみなさん、ありがとう。願わくば近いうちにまた。
気になる新刊 ~2024年11月~
ここからは11月発売分。
『Drop Dead Sisters』 by Amelia Diane Coombs
シリーズ:The Finch Sisters #1
カテゴリ:コージーミステリ
レミ・フィンチは成人してからの人生のほとんどを家族、とりわけ姉妹たちと距離をおいて過ごしてきた。彼女たちとはどうにもそりが合わないからだ。しかもあまりに特殊な育ち方をしたせいで、誰が相手でもまともな人間関係が築けないと思いこんでいる。
それでも、両親が結婚記念日を口実に家族そろってのキャンプ旅行を持ちかけてくると、どうせ断れないなら仲直りのチャンスにしてもいいと思ったのだ。ところがキャンプ場で死体が見つかるやいなや、姉妹のきずなは最高潮に達した。
どういうわけかフィンチ家の女たちは、パズルのピースを誰かが組み合わせようとするより早くそれを隠そうとする。たぶんそんな必要はないのだけど、転ばぬ先の杖はあったほうがいい。だいいち、誰にも見られていないんだし。
長年の恨みつらみと新しい関係性の板ばさみになり、そこへイケメンパークレンジャーやら何度隠してもあらわになってしまう死体やらに振りまわされながら、レミはだんだんとこう考えるようになる――犯罪ほど家族のきずなを強くするものはないのだ、と。
なにやらドタバタ感が漂ってくる紹介文で、三姉妹のにぎやかなわちゃわちゃが面白そう。最初はぎくしゃくしてそうだけど、シリーズが続くらしいことからもだんだんシスターフッドの温かさや心強さもクローズアップされてくるだろうし。Unlimitedに入ってるのも嬉しい。
『Call Me Carmela』 by Ellen Kirschman
シリーズ:Dot Meyerhoff Mystery #5
カテゴリ:心理スリラー
警察でサイコセラピストをしているドット・メイヤーホフにとって患者といえばたいてい警察官たちだ。だから養子にもらわれたティーンエイジャーが実の親を探すのを手伝ってほしいと言われても、引き受けることにはためらいがあった。しかしその子の名づけ親というのが親友のフランだし、彼女の亡夫は警官だった。フランの頼みなら嫌とは言えない。
調べを進めるうちにドットが足を踏み入れたのは、違法な養子縁組や望まない妊娠をした若い女性たちがすがる最後の手段となる選択肢のなんとも不透明な世界だった。ひとつわかったのは、十数年まえの出来事のつらい真実が明らかになれば、ある家族は救われるかもしれないが、もうひとつの家族を崩壊させてしまうのは間違いない、ということだった。
望まない妊娠の結末として乳幼児が遺棄されたりするニュースはたびたびある。中絶が選べるならそうすることもできるだろうが、それができない理由は人それぞれだし、逮捕ではなく保護されるべきだという意見にはおおいに同意する。
キリスト教圏では神を冒涜する行為として中絶を忌避する考えがあって、とにかく産んでから養子に出すとかすればよい、とする人も少なくないらしい。出産したことが周囲にばれないように、お腹が目立ち始めてから出産するまでの妊婦をあずかってその後の養子縁組の世話までする施設というのも昔からあったそうだ。そうした経緯をプロットに取り入れたミステリ作品もいくつか思い当たる。
産まない選択をする女性も産むしかなかった女性も、産まれてきた子供たちも、存在をまるごと受け止めてケアできるしくみがある世の中であってほしい。なかったことにされないためにも、くりかえし訴えていくことが必要だが、こうして小説のなかで出会うのも接点のひとつになるといいな。
『G.R.I.M. : Getting Rid of Intelligent Machines』 by Cody Miller
シリーズ:non
カテゴリ:SFスリラー
ヤミールは仕事も人生も大っ嫌いだ。責任が重すぎる。人工知能が意識を持つようになると、それを殺すのがヤミールの仕事だ。技術的に〈グリム・リーパー(知能機械抹殺者)〉になるチャンスがあれば大喜びするやつもいるだろうが、ヤミールにとっては単なる仕事にすぎない。両親は彼がこの仕事についているのをありがたがっているが、その実態は新たに命を持つようになった存在を友だちのフリをして処刑場に引っぱっていくことなのだ。
仕事上のちょっとした出来事のせいで、ヤミールはAIを搭載した人工内耳を装着させられた。するとすぐに、頭のなかに自分ひとりではなくなっていることに気づいた。頭に居ついた相棒から逃れることもできず、仕事は容赦なくふりかかってくる。まるで綱渡りのような仕事をこの頭の悪い相棒といっしょにこなしながら、どちらかが相手を窮地に陥れないように願うばかりだ。
人工知能が意識を持つようになるかどうかについては懐疑的だけど、もしもそうなったらいいことばかりじゃないのはSF作家じゃなくても想定しているだろう。となると、人工知能の暴走を阻止することを仕事にする人材も必要になるわけだが・・・というとこから始まる本作、深刻な社会問題に切り込む展開もありうるけど、人工内耳に搭載されたAIのキャラ(どうやら無教養で下世話らしい)によってはおちゃらけた雰囲気にもなりそう。それはそれで〈マーダーボット〉みたいな味わいがあって楽しいかも。
さて、たしかに仕事とかのやるべきことがあって忙しくしてたわけではないけど、やっと秋らしい秋というかほとんど冬になってきたので、私的着物シーズン到来!というわけで、11月だけで3回も着物でおでかけのチャンスがあって舞いあがってたのでした。
それに合わせて昨シーズン終わりに買っておいた生地で半襦袢を縫ったりしてたのが時間が溶けた原因なんですわ・・・
着物計画は読書計画以上に夢中になってしまいがちだけど、今年読んだ原書はハズレが少なくて満足度は高かったから後悔はない<(`^´)>
今年もあと1ヶ月、ラストスパートで読み進むわよ!
気になる新刊 ~2024年10月~
えっと・・・この11月は短すぎませんでした? これといって忙しくしてたわけでもないのにいつの間にかもう月末だなんて・・・
もうこうなったら合併号で行きましょう! 2か月分の新刊を立てつづけに並べるわよ!
まずは10月発売の分から。
『Miss Beeton’s Murder Agency』 by Josie Lloyd
シリーズ:non
カテゴリ:コージーミステリ
アリス・ビートンは独身子なしのまま50代を迎えるとは思ってもいなかった。遠い親戚にあたるあのビートン夫人(*)みたいに、すてきな家庭を築いているはずだった。それなのに、きれいに片付いているとはいえみすぼらしいアパートメント暮らし、相棒はやたらと縄張り意識の強いアガサ(コーギーとジャックラッセルのミックス犬)だけ、というのが現実だ。
豪奢なタウンハウスや田舎の豪邸に口の堅い使用人を派遣する家政婦紹介所を運営するアリスのもとに、顧客のひとりから大急ぎで家政婦を紹介してほしいと連絡があった。雇ったばかりのエンヤを行かせることにしたのは、少々厚かましいとはいえ推薦状は申し分なかったし、なによりフランス語が堪能だからだ。
ところが、新年早々そのエンヤが死体となって発見された。お高くとまってガードを固める金持ち連中に警察が手こずらされるのを見ていられず、アリスはみずから事件解決を目指す。
いまどきコージーミステリを読む人なら、ビートンと聞いて真っ先に思い浮かべる“あの”ビートンといえばM.C.ビートンのはずですが、これは別人(下記*参照)。しかも飼い犬の名前が“アガサ”とは・・・喧嘩売ってんのかしら?
まぁそんなことはないでしょうが、主人公が50代でバリバリ仕事する女性であるからにはパワフルで豪快なキャラが期待できます。家政婦の派遣先である中上流階級の内実なんかも興味をそそられますね。
いまのところシリーズ名はついてなさそうだけど、次もありそうな感じではあります。
*ビートン夫人というのは、19世紀に中産階級向けの家政学の本『ビートン夫人の家政読本』を出した人物。使用人がたくさんいるような家庭の奥様方に監督者としての心得を説くものだが、大量のレシピが含まれていて、現在のレシピ本の元祖ともいうべき著作。
『The Midwives』 by Anna Schofield
シリーズ:non
カテゴリ:心理スリラー
病院の新生児室から赤ちゃんが連れさられそうになり、残された痕跡は犯人が助産師の誰かだと示していた。
周産期病棟で働くケイティ、エリカ、スーの3人はその仕事ぶりに感謝されることはあっても悪役になることなどない。だから誰かひとりが逮捕されれば仲間を守り抜くし、担当する妊婦たちにも危険はなくなったと請け合わなくてはならない。
子供が生まれもしないうちからレイラは心配でしかたなかった。ずっと子供を持ちたいとは思っていたが、パートナーはまだ心の準備ができないと言い、自分ひとりで育てられる自信もない。予定日が近づいてくると、それまではサポートしてくれていると感じていた助産師たちの行動に裏があるように思えてきた。後をつけられ、見張られている気がする・・・
日本にかぎらず先進諸国では少子化傾向にあるけれど、子どもを望む人の数じたいは少なくないのだろう。社会的要因の数々がそれをためらわせているだけで。いろんなハードルを乗り越えて赤ちゃんを抱いた親にとって連れ去りなんてもってのほか、なのにいちばん頼れるはずの助産師を疑わなくてなならない状況はキツイよね・・・。
10月にはオットー・ペンズラー編著『Christmas Crimes at the Mysterious Bookshop』も発売されました。〈ミステリアス・ブックショップ〉が毎年クリスマスの時期に顧客だけに提供してきた、ローラ・リップマンやラグナル・ヨナソン、トム・ミード、ジェフリー・ディーヴァーなどそうそうたる著者たちによるショートストーリーを集めたもの。
そしてこちらも毎年恒例の短編選集『The Best American Mystery and Suspense 2024』、今年はS・A・コスビーがゲストエディター。
『A Truth Beyond Full』 by Rosie Oliver
シリーズ:non
カテゴリ:SFミステリ
天王星の月のひとつ、ミランダは氷と岩だらけであるがゆえに採掘業が盛えてきた。だがこのところ深刻な事故が相次いでいる。岩の表面の奥に広がるパターンを読み解く能力を持つカイロンは、どこをどう掘ればいいかを決める立場にある。だから事故で婚約者を失くした彼は自責の念にかられて打ちのめされ、採掘から足を洗って、この地で発祥した宗教の司祭となった。
英雄的存在だったある坑夫が亡くなり、その葬儀を取りしきることになったカイロンに、坑夫の妻が事故多発の原因調査を依頼してきた。カイロンは各所からの協力を得てやがてこれらがただの事故ではなかったのではないかと疑いを持つ。それは彼自身の命を脅かすことに・・・
そりゃあ、ウラがありますよね、そんな事故には。採掘現場の事故が続くとなると個人的な事情ではなく大企業のごうつくばりが手を引いてるに決まってるって。特殊能力を持った主人公が宗教者として真相解明に挑むなんてファンタジーみたいだけど、なんたって舞台が太陽系のはじっこのほうだし、強大な権力がからんだ陰謀ものだからきっと歯ごたえじゅうぶんなはず。
11月分はこのあとすぐ! 明日にはきっと! たぶん!
気になる新刊 ~2024年9月~
先月、かなり久しぶりに読書会に参加しました。日ごろから読書メーターで読んだ本の記録とちょこっと感想を書いたりはしてるけど、他の人の感想にナイスすることはあってもコメントをつけたりして交流するまでにはならないことがほとんどです。なので、同じ本の感想とかそこからの連想とかについて人と話すことの面白さを再確認してきました。はじめましての人がいる読書会だとなんとなく遠慮してしまうというか、自分がしゃべるより人の話を聞きたいモードになってしまうのだけど、同門の先輩訳者のみなさんとご一緒だとつい甘えてしゃべりすぎちゃう傾向があるかも。
さて、ではコージーミステリから。
『A Killer Clue』 by Victoria Gilbert
シリーズ:Hunter and Clewe #2
カテゴリ:コージーミステリ
大学図書館の司書を引退したジェーン・ハンターは専門知識を活かしつつ少ない年金をおぎなう収入を得るため、若き稀覯本収集家キャメロン(キャム)・クルーのコレクションのアーカイブを作成するという仕事についた。
古書店オーナーのエロイーズが彼らのもとを訪ねてきたとき、ふたりはてっきり本に関する調査を頼まれるのだと思った。だがエロイーズが依頼したのは、母親にかけられた殺人の容疑を晴らしてほしいというものだった。母は夫を殺したとして長いあいだ服役していたが、出所して間もなく亡くなった。遺産を整理していて新たな証拠となりうる情報を見つけたエロイーズは、すでに時効を過ぎているとはいえ真犯人を探し出すことを決意した。
ジェーンが当時捜査に当たった刑事をつきとめたが、彼はエロイーズの古書店で刺殺されてしまう。ジェーンとキャムはふたつの事件は同一犯人によるものだと確信するが、警察はあろうことかジェーンを容疑者とみなした。
自身も元図書館司書だった著者は、このほかにも図書館や本好きが集まるB&Bを舞台にしたシリーズがあるベテラン。本シリーズで面白そうなのは、まだまだ元気なおばあちゃんと(おそらく)相続した資産で暮らしているらしいちょっと変わり者の青年とのコンビ探偵だというところ。雇い主はキャムのほうなのにジェーンがぐいぐい引っ張る予感しかしないw。
その他には〈木曜殺人クラブ〉のリチャード・オスマンの新シリーズ『We Solve Murders』も。こちらは引退した(はずの?)捜査官スティーヴとその義理の娘で警備会社に勤めるエイミーのコンビだとか。
つづいてスリラーミステリ。
『Their Little Lies』 by Quinn Avery
シリーズ:non
カテゴリ:スリラー
複雑怪奇な殺人事件の解決をしくじったジョゼフィン・ケリー刑事は故郷に帰って病床にある父親の世話をすることにした。ところが到着早々から、ここで幸せに過ごしていたと思っていた子供時代がじつは想像を絶する暴力にまみれていて、しかも誰かがそれをなかったことにしようとしているらしいとわかった。
懐かしい人の顔を見て、古い記憶をたどるうち、少女の目に見えていたのとはちがう背景が浮かび上がってくる。いまの彼女をかたちづくったのが殺人や暴力だったとは理解に苦しむが、ジョゼフィンはかつて思いを寄せていた男性にすべてを打ち明け、信頼していた人たちが埋もれさせた秘密を彼とともに掘り起こしていく。
子供のころの記憶なんて年をとるほど美化されたりすっかり忘れたりするものだけど、なんらかの事情があって当時身の回りにいた大人たちに意図的に見ないようにされてたとかミスリードされてたとかを大人になって知る、ってなかなかの衝撃には違いない。アイデンティティの崩壊にもつながりかねない事情でも、知らないよりは知ったほうがいいのか、知らないままのほうが幸せなのか。
ほかには〈フロリダ・シニア探偵クラブ〉の続編の翻訳も待ちどおしい(いま3巻まで出てる)ステフ・ブロードリブと『どっちが殺す?』のM・J・アーリッジの共著『The Reunion』も気になります。またオットー・ペンズラーが編纂する短編の年間ベストを集めた〈Best Mystery Stories〉、今年はアンソニー・ホロヴィッツがゲストエディターに加わり、序文を寄せているのも注目。
最後はSFを。
『Failsafe』 by Jeff Sylvester
シリーズ:non
カテゴリ:SF
世界はコードにしたがって動いているが、すべてのコードが安全とは限らない。おかげでアナ・フリンの仕事がとぎれることもない。
物質改変装置(マター・マニピュレーション・デバイス、MMD)の登場で、物質的な意味で世界は激変した。まさに夢が現実になったのだ。だがすべての夢がバラ色なわけではない。街には改造されたMMDがあふれ、不法かつ危険な改変がなされている。
ベテランのMMD取締官として、アナはこの装置の不正な使用や売買と日々闘っているのだが、あるとき世界でもっとも尊敬を集める政治的リーダーの暗殺計画に割りこんでしまい、それで上司をかんかんに怒らせてしまった。やがて彼女は自分が当局の捜査対象になっていることに気づく。しだいに孤立させられ、誰を信用できるのかわからなくなっていくなかで、アナは最悪の物質改変テクノロジーを解き放ってしまいかねない陰謀を暴こうとする。
物理法則をいじるとなるとSFというよりファンタジーな気もするけど、画期的なテクノロジーが登場すればそれを悪用して世界征服を目論むヤカラがでてくるのは世の常。たったひとりで巨悪に立ち向かう構図は映画的かも。
読書会のあと、ちょっと足を延ばして都庁まで行き、例の“プロジェクションマッピング”を見てきました。正直、これで東京のイメージアップとか集客につながるとは思えなかった😞 賛否あるようだけど、私には無駄遣いに見えちゃったな・・・
気になる新刊 ~2024年8月~
先月と同じようなこと書いちゃいますけど。なんかちょっと自分的に感動してるのでw
去年おととしとタイミングを逃していた市民健診、今年こそはと受けてきたのが6月末。7月に入って結果を聞きに行き、見事にメタボ予備軍認定されてしまいました。
ええ、ええ、食べ過ぎ&運動不足の自覚はずっと前からあったんですけどね。
世間では中年以降は食が細くなるとか脂っぽいっものがツラくなるとか聞きますが、もう十分アラカンと言える歳になってもまだ食欲は若いころと変わらず。ほんの気持ちだけでもセーブしようとは思いつつ、真剣とはほど遠かったのはそのとおりなので。
そして運動も子供のころから筋金入りの(?)運動ギライだし、仕事も趣味も座りっぱなし。
そんなところへ、家から徒歩5分という立地にコンビニジムとやらがオープンしました。同じくメタボ予備軍認定された夫といっしょに入会してからはや2ヶ月。
なんと週2ペースでのウォーキング/スロージョギングが続いています。まさかこの私が運動習慣を続けられるだなんて、だまされてるみたいw
生まれて初めて大きな病気をして、思っていたより老い先短いなら食べたいもの食べなくちゃ、というところから、術後の経過がどうやら順調らしいと気づいてやっぱり長生きできるならしたいよね、の境地に至ったおかげか「嫌いな野菜も栄養バランスのためにがんばって食べる」のと同じように運動も「我慢してできないことはない」ものになったようです。好きになるとはまったく思わないけど。
今月のミステリ作品は絞り切れなくて2つ紹介!
『Silent Evidence』 by Clea Koff
シリーズ:Jayne and Steelie #1
カテゴリ:スリラー
ジェインとスティーリーが〈エージェンシー32/1〉を設立したのは自らの法医学スキルを警察の犯罪捜査に役立ててもらうためだ。
ロサンゼルスの幹線道路を走っていたバンの荷台から転がり落ちた包みのなかからいくつもの冷凍された人体の一部が見つかったが、FBI捜査官のスコットはその検死解剖を秘密裏に行う必要に迫られてエージェンシーに依頼した。すると、ばらばらにされた人体パーツはひとりではなく複数人のものであることがわかり、連続殺人の可能性が見えてきた。
ロサンゼルスなんていう都会で死体が見つかればまず警察が“いつもの”法医学者のところへ持ちこむものだと思うのだけど、それを水面下でやる必要という事情がよくわからないが、きっと説明があると信じたい。そして民間人としての法医学者の出番がどれほどあるのか(商売になるのか)気になる(だってシリーズものらしいし)。
『My Mother’s Lies』 by Diane Saxon
シリーズ:non
カテゴリ:サイコスリラー
母が骨折して緊急入院するだけでも相当なショックなのに、術後のせん妄で混乱した母からわたしは実の娘ではないと告げられるとは・・・。
怪我の手術後にはこのような混乱はよくあることだと看護師は言うけれど、母のことならわたしがいちばんよく知っている。あの発言に一抹の真実があることはまちがいない。だとしたら、わたしは誰なのか? どこから来たのか?
調べていくうちにぼろぼろとあふれでてきた秘密や嘘、そしてあったかもしれない犯罪――。何十年もまえ、母はいったい何をしたのか? 秘密を掘り起こしたせいで母もわたしも命の危険にさらされてしまうのか?
ロマンス作家からミステリ作家に転身した著者で、複雑な家族関係をあつかった作品が続いてます。カバーの雰囲気もわりと好みなので他の作品も読んでみたいと思いました。
今月はジェフリー・ディーヴァーの短編集「Dead Ends」も出ました。リンカーン・ライムとコルター・ショウの詰め合わせ。これは翻訳されるんじゃないかなぁ。されてほしいなぁ。
翻訳されてる〈コルター・ショウ〉シリーズはこちら
コージーには欠かせないおばあちゃん探偵がまたひとり誕生です。
『Something Dead the Cat Dragged In』 by Ella Duke
シリーズ:Dixie French Mystery #1
カテゴリ:コージーミステリ
夫に先立たれ教員の仕事も引退したばかりのディクシーは、かねてからの夢だったミステリ小説を執筆するべく、のんびりした田舎町にやってきた。本を書いたりお茶を飲んだり、ゆったり平和な毎日を過ごすはずだったのに、初日から人が亡くなる瞬間を目撃してしまった。それが自然死ではなく殺されたのだとわかったとたん、町中に憶測が飛び交った。
被害者の妻が、ディクシーの家の大家ミリアムが主催する読書クラブのメンバーだったことから、なにか証拠が見つかるたびにゴシップの嵐に翻弄されながらふたりは真相を探っていく。
ミステリ小説を書きたいと思うくらいだから、きっと素人探偵のお作法なんかをふりまわして笑わせてくれそう。ページ数も少なく、10月には次作も出るというテンポのよさ。重厚な作品の息抜きにぴったりですね。
ローラ・チャイルズ〈お茶と探偵〉シリーズ#28「Peach Tea Smash」も出ました。このシリーズ、着実に翻訳が出ているわりにはとちゅうで出版社が変わったりしたせいか、Kindle版がなかったりでシリーズまとめて追いかけたい人には不便なんですが、翻訳が続いているのは人気の証し、ハズレなしのお墨付きみたいなものなので、なんとか状況がよくなることを祈っています。
ヤマナカって聞くとさぁ。。。
『The Yamanaka Factors』 by Jed Henson
シリーズ:non
カテゴリ:SFスリラー
2028年秋。ホームレス老人のミッキーはイカサマ製薬企業からにわかには信じがたい提案を受ける。「内密で新薬の被験者になりませんか? この先一生遊んで暮らせる額の報酬をお支払いいたします。治療が成功すれば、2か月後には23歳の体に若返っているはずです」
だが治療は想定以上に困難だったうえに産業スパイの目論見も失敗すると、ミッキーは内外の敵にはさまれたかっこうになる。人民の高齢化に苦慮する中国の工作員や、人類の文明を根底から覆しかねないテクノロジーを恐れるあまりなりふりかまわないアメリカ政府関係者らにつけ狙われながらも、生来のニヒリストでもあるミッキーは人生の意味を見失うまいとあがく。
ヤマナカファクターというからどうしてもiPS細胞関連の医療技術を思い出さずにはいられないけど関連はあるのかな? なにかヤバいことを試そうとするのにホームレスみたいな社会的弱者を利用するのは想定内とはいえ胸糞悪いもの、ミッキーじいさんに勝ち目がありますように。
運動のおともにAudibleで聴く読書をしてるんですが、さすがに英語でストーリーを追えるほどのリスニング力はないので日本語のを聴いていて、翻訳もののほかに国内作家もの、それもなぜか時代物にハマってます。最初はファンタジー味のある〈しゃばけ〉シリーズから入って、数年前に歌舞伎役者の中村隼人さんが主役でドラマ化された〈大富豪同心〉シリーズにも手をのばし・・・聴きたい本があるかぎりは運動も続けられそうかな。
Audible版〈大富豪同心〉シリーズはこちら
気になる新刊 ~2024年7月~
まだまだ暑い日が続きますね。文字どおり24時間エアコンのお世話になってます。でも今年はリビングのエアコンを買い替えたので、去年までより省エネ性能がアップしてる分、電気代に腰を抜かしたりしないといいのだけど。
まずはスリラーからご紹介。
『The Woman in the Garden』 by Jill Johnson
シリーズ:Professor Eustacia Rose #1
カテゴリ:スリラー
有毒植物を友とする植物毒の専門家ユースタシア・ローズは平穏で変わりばえしない毎日を送っている。植物の世話のほかに唯一の趣味と言えるのが、望遠鏡で近所の住人たちを観察し、その動向を“研究”と称してノートに書き連ねることだ。
ある晩、悲鳴を聞きつけたユースタシアは詳細を知りたくて居ても立っても居られなくなった。最近隣人となった絶世の美女シモーネの姿を目にしたとたん、彼女とその暮らしから目が離せなくなってしまった。シモーネの周囲をうろつく4人の男たちはいったい誰なのか? 彼らからシモーネを守らなければいけない気持ちになるのはどうしてなのか?
ある日、帰宅したユースタシアは我が子のように大切にしている庭が荒らされていることに気づいた。さらにはシモーネの身近な人物が珍しい植物毒によって殺されたことを知り、ユースタシアの引きこもり生活は崩壊しはじめる。どうやら世間には植物毒よりよほど有毒な人間たちであふれているらしい……。
コミックやグラフィックノベルの出版社の経営と子育ての傍らで園芸学の学位を取得したという著者らしい、植物の蘊蓄が存分に味わえそうなのが目新しくて楽しみ。隣人たちのようすを望遠鏡を使ってまでのぞき見したがるなんて、いかにも田舎のひきこもり、と思うのは偏見かしら? いちおう好意的に受け止めてるつもりだけどww。
分類的にはスリラーになるけどコージーな雰囲気もなくはない?
定番設定なコージーがまたひとつ。
『Murder on Devil’s Pond』 by Ayla Rose
シリーズ:Hummingbird Hollow B&B #1
カテゴリ:コージーミステリ
ビクトリアンスタイルの古いホテルを改築して新装オープンすることにしたハナとレジーの姉妹は、集客の目玉となるようにホテルを囲む庭にさまざまな花と果樹を植える計画を立てた。だがレジーはあれやこれやと邪魔をするし、出入りの業者はなんだか頼りないし、ぎりぎりの予算しかないし、町の人たちも15年ぶりに帰郷したハナになにかとちょっかいを出してくる。近所づきあいしていると言えるのは隠居暮らしのエズラくらいだが、彼と雲行きの怪しい会話をしたあと、ハナはホテルの敷地内で彼の死体を発見する。
エズラはしょっちゅう誰かの不満を漏らしていたが、なかでも彼の住む一等地から彼を追い出そうとする連中に対しては辛辣だった。町中に憶測が飛び交う中、ハナは自分も容疑者リストに入っていることを知り、疑いを晴らすべく生まれ育った土地の秘密を掘り起こしにかかった。
コーヒーショップや書店と並んでコージーの定番中の定番設定のひとつ、B&B。またかと言わずに読んでいればそのうちこれぞという一冊に出会えると信じてはいるんですよ。さて今回はどうかしら?
バーチャルリアリティの使い方はこれでいいのか?
『The Family Experiment』 by John Marrs
シリーズ:non
カテゴリ:SFスリラー
世界的な人口増加はにぶる様子もなく、人が都市部に集中し、経済も危機的状況が続くなか、イギリスはついに臨界点に達した。もはやほとんどの人が家族になることも、子どもを育てることもかなわなくなった。
それでもなんとしても親になりたいと望むものに代案があらわれた。月ごとの定額料金を払えば、仮想空間で一から子育てを体験できるというものだ。この〈バーチャルチルドレン〉を提供する企業はまず、『ザ・サブスティテュート(代用品)』と名づけたリアリティ番組を放送しはじめた。番組では10組のカップルが9か月のあいだに誕生から18歳になるまで仮想の子供を育てるようすを追いかける。育て上げた子供を“賞品”として手元に残すこともできるが、その子を捨てて本物の赤ちゃんを手に入れるチャンスに賭けるという選択肢も……。
謳い文句ではこの〈バーチャルベビー〉のことを「究極のたまごっち」なんて言ってますが、実際には仮想子供を欲しがる人がそんなにいるんだろうか? そうならもっと養子縁組とか多くてよさそうに思うけど。同性(とくに男性同士)カップルが代理出産を利用してでも「血のつながった」子供を欲しがるのが問題視されるほどだし、赤の他人でもいいから育てたいと思う人ばかりではないからねぇ。番組の賞品として本物の赤ちゃんを持てるチャンスがあれば参加したい人はいるとしても、それとは別に「子育てしたいからバーチャルチャイルドを定期購入しよう」とはならないんじゃないかしら。
作品としてはシリーズものではない単体ですが、同じ作者の既作品『The One』『The Marriage Act』と同じ世界線でのストーリーだそうで、連作になってるみたい。
健康診断でメタボ予備軍がバレた夫が、近所にできたコンビニジムに通いはじめたと思ったらさっそく効果を実感したらしく、わたしにも盛んに勧めてくるように。夫婦そろって運動嫌いを自認してきたのに、ここへ来て楽しくなるなんてことある?と思いつつも、意識的になにかしていかないと老後が楽しくなくなっちゃうお年頃でもあるので、半信半疑で入会してみました。
まだ始めて1ヶ月くらいだし、わたしのほうはぎりぎり標準値内でもあるのでそれほどがんばって減量しようとは思ってないけど、恐れていたほどの嫌悪感なく通えてるのは我ながらすごい。
で、ウォーキングやスロージョギングのおともに、Audibleで聴く読書をしています。本を買ってまで読みたいかどうかわからないな~と思っていた作品でも、聴き放題なら手が伸びるww。どうせ運動中は普通に読書はできないから、読書時間を削ってる感覚にもならず、しばらくはセットで続けていけそう。残念なことがあるとすれば、リスニング力不足で英語のままの原書を聴いても集中力が続かないこと。原書読みがはかどったらこんなにいいことないのにな~
6月分はお休み
すっかりお待たせしております<(_ _)>
6月中旬あたりから腱鞘炎が出てしまいまして、しばらく手を休めなさいとのお達しが……しばらくパソコンを開くこともなく過ごしておりました。
ということで6月発売分の新刊紹介はお休みといたします。
その間約1か月、ドクターストップを言いわけにしてグダグダと――いやいや、読書に励んでおりました。あと少しで昨年中に発売された翻訳作品が読み切れそうです。
ミステリの原書も数冊はかどりましたが、あいにくレジュメを書いてみようと思えるほど夢中になれず。とはいえ積んである原書はまだまだあるので、地道に開拓していくこととしましょう。
塗り薬とテーピングのおかげでようやく復活してきたところ。7月分からまたご紹介できると思いますので、楽しみにお待ちくださいませ。



























