関東もついに梅雨明けしたらしいですね。いったいどこまで暑くなるやら・・・恐ろしい。
夏休みがある人もない人も、どこかへ出かけたりしないで、クーラーの利いた室内で読書に励むが吉ですよ。
今月も注目の3作、まずはカバーが爽やかなスリラーから!
『The Block Party』 by Jamie Day
シリーズ:non
カテゴリ:ミステリスリラー
アルトン・ロードのクルドサック(通りぬけできないようになった路地を囲む住宅地)に住む住人たちは、毎年夏になると〈ブロックパーティ〉を開いて親交を深めていた。だが今年、パーティで起きた殺人事件によって彼らはたがいが隠してきた秘密に絡めとられてしまった……。
誰が、なぜ、そんなことをしたのか――発端は1年まえにさかのぼる。あのときすでに、対立と裏切りの種は撒かれていたのだ。
デビュー作ながら、『完璧な家族』や『噤みの家』が評判のリサ・ガードナーが推薦の言葉を寄せるなど注目の作家。近所づきあいはどこでも絶妙に気を遣うものだけど、クルドサックというとまあまあ高級住宅地といってよくて、それなりに収入のある人たちが住んでいると思うと隠し事もそれなりにあったりするんでしょうねぇ、と想像しちゃいます。
お次はベテランが放つ新シリーズ!
『A Cryptic Clue』 by Victoria Gilbert
シリーズ:Hunter and Clewe Mystery #1
カテゴリ:コージーミステリ
60才になって大学図書館司書を早期退職したジェーン・ハンターは、やりがいを感じつつも乏しい年金の足しになる仕事を探していた。いっぽう、33才のキャメロン(キャム)・クルーは増え続ける希少本と美術工芸品を整理してくれるアーキビストを探していた。
無事キャムに採用され、彼の膨大なコレクションをまえにして興奮冷めやらぬジェーンだったが、早々に彼の図書室で死体を発見してしまう。死んでいたのは医薬品業界で財を成した一家の跡取り娘――キャムの直近の元恋人だった。
真っ先に容疑を持たれたキャムは持ち前の知性と推理力で汚名を晴らすことを誓ったものの、根っからの外出嫌いで心配性なうえに人付き合いもヘタクソな彼が頼ったのはジェーンだった。
高齢者というにはまだ若く好奇心いっぱいのジェーンと、頭はよさそうだけど明らかにクセの強いモテ男キャムが事件に挑む新シリーズ。自身も作家兼図書館司書だという著者はこれまでにも図書館や本好きが集まるB&Bを舞台にしたコージーミステリを書いてきたベテラン。今回は探偵役が異色のコンビというところが注目ポイントかな?
最後は背筋も凍るディストピア?!
『ONE』 by Eve Smith
シリーズ:non
カテゴリ:SF
極端な気候大変動に翻弄された結果、全体主義が台頭したイギリスでは国民に厳しい一人っ子政策が押しつけられた。“余分な”赤ん坊は中絶され、強制的に避妊インプラントを施されるのがあたりまえになった。世界中に混乱が広がる中、誰もが厳格な配給割り当てに従わざるを得なくなった。
25才のカイは〈ベビー・リーパー(乳児収穫人)〉として〈人口家族計画省〉で働いている。受け持ちの家族がふたり目の子供を持とうとすれば、その代償はきっちり払ってもらう。
ある朝カイは、省が用意した粛清リストに載った違法児が自分の妹であることを知った。誰かに知られて両親が厳しい処罰を受けるまえになんとかしなければ。だが調査を進めるうちに、彼女がもっとも信頼してきた家族がいくつもの非情な犯罪を犯してきたことがわかってくる。そしてついに、政府をも揺るがす秘密を探り当ててしまう。
この作家さんの過去作『The Waiting Rooms(2020)』も『Off Target(2021)』も積んであるんですが(早く読もう)、またしても胸をざわつかせるあらすじです。シリーズではなくそれぞれスタンドアロンなのでどれから読んでもいいのですが、こんなに立て続けにアンテナにひっかかってくる作家さんは早く読まないと・・・。
さて、私は一通りの治療を終えて体力も戻ってきたところです。入院中は上げ膳据え膳でほかにやることもなく読書がはかどりましたが、自宅では家事担当責任者としてがんばりたいところでもあり、とはいえ仕事はややセーブしてるので本を読む時間くらいはなんとか確保できるはず・・・と揺れながら前に進んでいます。
そしてもう間もなく、うれしいお知らせをお届けできるはず・・・ああじれったい!