あらあら……ふと気づいたらもう2月じゃありませんか……
まだ年が明けて1週間くらいしかたってないような気がしてたのに。この調子では春になるころにはもう来年が来ちゃうわよ。いけないいけない。濁流に流されないように、毎月のペースメーカーとしても新刊チェックに励まねば!
というわけで今月、もとい、1月の新刊でございます。
まずはコージーミステリを。
『Dial M for Meow』 by Ruth J. Hartman
シリーズ:Bookshop Kitties #1
カテゴリ: コージーミステリ
児童書作家のクリスティ・ベイリーは、おばのベティが経営する書店の手伝いを頼まれると一も二もなく駆け付けた――2匹の猫といっしょに。これ以上ないくらいのベストタイミングだったのは、元恋人に貯金を使いこまれてすっからかんになったうえに未払いの請求書まで残して去られたばかりだったから。人生をやり直すならインディアナのすてきな田舎町ほどぴったりな場所はない。
ところが書店に到着早々、死体を発見することになるなんて! しかも被害者はおばの“フレネミー”で、当のおばはすぐそばで手を血まみれにして気を失っていたのだから、彼女が第一容疑者になるのは必至。もちろんおばの無実を信じるクリスティは自力ででも真犯人を見つけだそうと・・・。
本屋さんだしネコチャンも出てくるし、読まずにはいられないシリーズの登場です。ネコチャンズはクリスティの書く子供向けミステリーで活躍する「探偵役」でもあるようなので、いろいろと手がかりをほじくり返してきたりクリスティのピンチを助けてくれたりしそうな予感。著者はおもにロマンスを書いてきたベテラン。本シリーズ以外にもネコをフィーチャーしたミステリ作品あり。
ところでコージーには過去の名作のタイトルや誰もが知ってるフレーズをもじったタイトルがたくさんありますが、これのもとになった『ダイヤルMを回せ』だっけ? っていまどきはどの程度通用するものなのかしら? かくいう私もちゃんと履修してないもの多くてアレなんですけど。
今月はドロシー・L・セイヤーズのピーター・ウィムジー卿シリーズ『Clouds of Witness』もでました。こちらも翻訳は続きがでませんかね・・・。
お次はサスペンスを。
『What Lies in the Woods』 by Kate Alice Marshall
シリーズ:non
カテゴリ:サスペンス
ナオミ・ショウは22年前の夏、二人の親友キャシディとオリヴィアとともに森の中を歩き回り、それを〈女神のゲーム〉と呼んで楽しんでいた。ところがとつぜん何者かにナオミが襲われて17か所も刺されるという事件が起きた。幸い無事に生きのびることができて、犯人も特定することができた。彼女の証言が決め手となって犯人は刑務所に送られ、少女たちは一躍ヒーローとなった。
だが彼女たちは嘘をついていた。
3人は数十年も秘密を守りとおしてきたが、オリヴィアがもう耐えきれないので打ち明けてしまいたいと言い出し、あのとき森でほんとうにあったことを明らかにする決心をした。
子供向け~ヤングアダルト作品を数多く書いてきた著者による一般向けサスペンス。とはいえ、大人になった現在の視点で進行するストーリーながら事件の発端は主人公たちがティーンエイジャーだったころなわけで、そのあたりの友人関係のありかたとかティーンならではの事情だったり理屈だったりをどう料理してくれるのか楽しみ。
最後に近未来SF。
『LIFEline』 by James Belmont
シリーズ:LIFEliine #1
カテゴリ:SF
近未来のロンドン。〈LIFEline〉はまさしくライフラインとして人々の生活のすみずみにまで入り込んでいる。だが人が生きていくのに必要なこのシステムを、人の命を絶つために利用するものがいた。犯人を捕まえようという試みは成功するのか? 知恵を振り絞っての闘いでは、失敗はたんに命を落とすだけではすまされない。高度にテクノロジーに依存する社会そのものが危うくなってしまうのだ。
IT技術の進歩は、生活を便利に安全にしてくれるという大きな恩恵とほぼ背中合わせで、それを悪用する連中を発生させてしまう。いたちごっこが終わることはたぶんないのだろうけど、そういうネガティブな面もある程度予測しつつ進めていくしかないわけで。そんな未来を、どこまで生きて見られるのかなぁ。
さて、ただでさえ(体感とは別に)短い2月、本業のほうもラストスパートかけなきゃいけないんですが、すぐには読めなくてもとりあえず新刊はチェックしなくちゃね。
体調も思ったほど悪くない、むしろほんとに病人か?というくらい気力体力ともにふだんと変わらないくらいなので、じりじりと積本の山を崩していきましょうか。