つぎはコレ読みたい ~積ん読は積ん徳なり~

積ん読は積ん徳。駆け出し翻訳者が毎月「コレ読みたい!」新刊本を紹介しています。ミステリ全般、コージーミステリ、SF&ファンタジーを中心に。

気になる新刊 ~2021年3月~

今月はミステリー/スリラーだけでも気になる作品がいっぱい! で、2冊までしぼったよ!w コージーとSFも迷いに迷ってこの1冊!を紹介します。

 

Hunt (Dr Bloom Book 3) (English Edition)

Hunt (Dr Bloom Book 3) (English Edition)

 

 『Hunt』 by Leona Deakin

シリーズ:Dr. Bloom #3

カテゴリ:スリラー

 

 テロリストに捕まった外交官が警察の質問に答える条件として出したのが、心理学者で私立探偵をしているオーガスタ・ブルームと話をさせることだった。

 彼がブルームに依頼したのは、もう10年も家族と連絡を絶っている姪のスカーレットを見つけ出すことだった。消息を絶つまえ、最後に聞いた話では、姪はフェミニスト運動をしている組織〈アルテミス〉とかかわっていたらしい。

 カリスマ的リーダーのポーラ・クーニスを中心とする〈アルテミス〉について調べれば調べるほど、この団体のやっていることに疑問を感じ始めるブルーム博士。彼女は潜入調査を決意するが……。

 

 事件の捜査に心理分析を取り入れることはもはや当たり前になってきましたが、それを担当する心理学者が私立探偵をやっているというのは珍しいですね。警察やFBIの捜査官が学位を持っているのはよく見かけるし、大学や病院の職員が捜査に協力するのもありますが。

 そんな心理分析探偵ドクター・ブルームのシリーズ3作目。女性の権利保護活動やフェミニストの活動が注目されることも多くなった昨今、表向きとは違う目的を隠して活動する団体が登場する本書、どんな秘密があるのでしょう?

 

 

 『The Secret Sister』 by M.M. DeLuca

シリーズ:Non

カテゴリ:ドメスティックサスペンス

 

 わたしには夫の話していない秘密がある。快適な暮らしとたっぷりの愛情を与えてくれる夫がいれば、暗い過去を忘れていられる。そんな夫だからこそ、その暗い過去を話したくてたまらない。

 けれど、話してしまえばこれまでふたりで築いてきたものは音を立てて崩れてしまうだろう。いまはまだ話すわけにはいかない。わたしの妹の身になにが起きたのか、明らかにするまでは……。

 

 紹介文だけ見るとありきたりと言えばありきたりに見えますけどね。でもカバーの雰囲気が気に入ったので読んではみたい。よくある設定をどう料理してくれるのか。

 イギリス出身カナダ在住の作家さんで、ヒストリカルやSF、映像作品の脚本なども手掛けているそうなので、描写力、セリフの面白さに期待。M・アドウッドやS・ウォーターズらの影響を受けたと言ってるところをみるとフェミニズム視点でもあるのかな、と。

 

 

 

Win (English Edition)

Win (English Edition)

 

 

Every Vow You Break: A Novel (English Edition)

Every Vow You Break: A Novel (English Edition)

 

 

『ランナウェイ』でハマったハーラン・コーベンの新シリーズ1作目のWin、『そしてミランダを殺す』『彼女の恐れるすべて』が面白かったピーター・スワンソンのEvery Vow You Breakもキニナル!

 

 

 『Death at the Salon』 by Louise R. Innes

シリーズ:Daisy Thorne Mystery #2

カテゴリ: コージーミステリ

 

 イギリス・サリー州エッジミードで美容室〈ウー・ラ・ラ〉を経営するデイジー・ソーンは、土曜日の営業を終えて店を閉めようとしたとき、その日の朝に来店した常連客メルの死体を発見した。どういうわけか、メルの髪は後頭部を長く残して左右を短くしたマレットカットにされている。

 デイジーはメルと高校時代にひと悶着起こしたことがあるうえに、死体からデジーのDNAまで見つかって容疑者リストのトップを独走?! 冗談じゃない!

 

 コージーでいうとヘアスタイリストを主人公にした作品て翻訳はされてないのでは? じつはけっこうあるんですけどね。美容院でいつも同じ美容師さんにお願いするとか、施術中はおしゃべりするのが楽しみ、という人は多いと思いますが、とくにコージーの舞台になりやすい田舎町では噂話の拠点になっていることも多いので、人の話をたどって調査が進展する素人探偵には格好のセッティングなんです。ミステリではないけど、映画『マグノリアの花たち』がたしかアメリカ南部の美容院に集まる女性たちの話でしたねぇ。あんな感じのシスターフッドがサイドストーリーとしてでてくるといいなぁ、なんてことも期待しつつ。

 

 

The Immortality Code (English Edition)

The Immortality Code (English Edition)

 

 

『The Immortality Code』 by Douglas E. Richards

シリーズ:Non

カテゴリ:SFスリラー

 

 アリー・キーンが量子コンピューティングの分野で大発見をすると、世界は騒然となった。だが彼女の知らないところでさらに熾烈なテクノロジー業界の覇権争いが巻き起こり、この発見を制する者が世界を制する、という状況になっていった。あちこちの勢力が彼女の争奪戦を始めるなか、謎の諜報員ザカリー・リードが立ちはだかった。

 アリーの大発見はそれ自体もそうだが、それ以上にすごいものを世界に解き放つ鍵でもあった。現代科学より数千年も先のテクノロジーがついにユートピアを実現し、生死の法則を書き換え、人類は星々のかなたまで到達するというのだ。ただし、そのまえに地球上の生命が絶滅さえしなければ……。

 

 ちょっと手ごわそうなSF作品ですが、マイクル・クライトンの再来という評判もあるらしい作者に期待大。

 

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