The Sleuth Sisters (The Sleuth Sisters Mystery Book 1) (English Edition)
- 作者: Maggie Pill
- 出版社/メーカー: Gwendolyn Press
- 発売日: 2014/02/19
- メディア: Kindle版
- この商品を含むブログを見る
『The Sleuth Sisters』 by Maggie Pill
キャラクター ★★★★
プロット ★★★
総合満足度 ★★★★
カテゴリ 私立探偵、三姉妹、
キンドル版を無料で入手した1冊。キンドルの洋書はキャンペーン的に時々無料になっていたりするけれど、読んでみるとハズレであることもじつは多い。そうでもしないと続きが売れないようなシリーズ、という事情もあるのだろうが。
なので、あまり期待せずに読み始めた作品ながら、これはなかなか面白く読めました。主役となる三姉妹はそれぞれに個性的で、過去にはケンカもすれば行き違いもあったかもしれないけど、まずまず仲の良い姉妹だというのは安心して読める要素ではないかと思います。
弁護士の職を52才で早期退職したバーブは、故郷のミシガン州に戻って探偵業を始めることにした。強く勧めたのはすぐ下の妹フェイ、50才。ケガのせいで働けなくなった夫を支えながらいろんな仕事をして息子3人を育て上げたが、ここへきて失業。「自分が自分のボスになる」ため、独身で子供もいないバーブの財力を活かしてビジネスを始めよう、というわけだ。
〈スマート探偵事務所〉に初めての事件らしい事件を依頼してきたのは、行方不明の兄を探しだして無実を証明してほしいというメレディス・ブラウン。ニール・ブラウンは6年前、身重の妻カリーナとその兄を殺して逃亡したとされていた。石材業で財を成した創業家の令嬢だったカリーナと建築請負業のニールの格差婚を苦々しく思っていたカリーナの父が現場から走り去るニールを見たと証言し、警察もニールを犯人と決めつけたのだ。
まずは逃走経路をたどってニールを探し出そうとするバーブとフェイ。まだまだ素人なのでずいぶんとドタバタな追跡だが、途中からは末っ子のレッタもこっそりと捜査に加わり、殉職警官の妻という立場をうまく利用して警察側の情報も集めたりして、3人はしだいに真相に近づいていく。
ところで、読書好きなら日々の生活の中で目や耳にする言葉というものに敏感になりますよね。じつは長女のバーブ、文法やスペルの間違いが気になってしかたないタイプ。町中で目にした看板などに間違いを見つけると、それを訂正したくて居ても立っても居られない。ペンキと刷毛を車のトランクに常備していて、夜になると全身を黒い服に包み、こっそり「お直し」をしてあげるし、新聞記事に間違いを見つければそれを投書で指摘せずにはいられません。身近にいればメンドクサイかもしれないけれど、50過ぎのおばちゃんがイタズラがうまくいったとほくそ笑んでいるのはカワイイといえなくもない……かも?