つぎはコレ読みたい ~積ん読は積ん徳なり~

積ん読は積ん徳。駆け出し翻訳者が毎月「コレ読みたい!」新刊本を紹介しています。ミステリ全般、コージーミステリ、SF&ファンタジーを中心に。

気になる新刊 ~2020年06月~

 

 『Lies to Tell』 by  Marion Todd

シリーズ:DI Clare Mackay #3

カテゴリ: スリラー

 

 クレア・マッケイ警部はある朝、上司である主任警部から内密で呼びだされ、ひとりのホワイトハッカーに引き合わされた。警察内部からの情報漏洩が疑われているため、彼と協力して捜査を進めることになった。

 その一方で、通常の捜査も手いっぱいだ。大学生が殺された事件で目撃者を保護しつつ捜査をしていたが、ある人物を信頼していたのは間違いだったと気づいたときには手遅れになっていた。

 

 スコットランド警察の女性警部が中心となるシリーズ。海辺の大学街セント・アンドリュースが舞台となっている。紙の本はなく電子書籍のみで発表されているのでかなり自費出版に近いのかな? それでもGoodreads読者の評価はかなり高め。

 執筆に専念できるようになる前はキャンドルメーカーやホテルのラウンジピアニストなどをしていたという著者の経歴もなかなかユニーク。

 

 

 そして今月はシリーズ9作目『破滅のループ』が出たばかりのカリン・スローター、順調に10作目も発売されましたね。安定の人気シリーズなので翻訳されることはほぼ間違いなし、楽しみに待ちましょう。

 The Silent Wife: From the No. 1 Sunday Times bestselling author comes a gripping new crime thriller (Will Trent Series, Book 10) (English Edition)

 

 

 

 『Borrowed Time』 by  Elizabeth Spann Craig

シリーズ:Village Library Mystery #3

カテゴリ:コージー

 

 山間の小さな町ホイットビーの秋は美しい。山肌は色づき、空はどこまでも青く、空気はきりりと引きしまっている。図書館に勤めるアン・ベケットは同僚に誘われてそんな山の中にある湖畔の家で開かれるパーティに参加することになった。

 屋内プールまで備えた豪奢な建物はアンの想像を超えていたが、ゲストはみな良い人たちに思えた。しかしそのゲストのひとりがプールで死体となって発見されると、雰囲気はしだいに険悪になっていった……。

 

 山の中の小さな町なのにちゃんと図書館があるってすごくない? とはいえ、図書館はどちらかというと背景にすぎなくて、本に関するウンチクとかを期待するとがっかりするかも? なんたってコージーミステリなので。それでもこの表紙のネコちゃんを見るだけで私好みだというのはわかるのです。

 

 

 5作目まで翻訳されて止まってしまった〈ドーナツ事件簿〉シリーズ、本家ではなんともう49作目! いかにもコージーらしい、事件のほうがつけたしで、登場人物たちの人間関係の移り変わりを楽しむシリーズなので、なんというかサザエさんとかののちゃんみたいな感じでなかなか止めどきがわからないというか……(^_^;

 

 

 

 『In the Wake of Gods』 by  Christopher Monteagle

シリーズ:The Godless Trilogy #1

カテゴリ:ファンタジー

 

 妾腹の娘ヴェイルは父が治める帝国のヘルムズガードの将校として、組織の歯車のひとつであることに甘んじている。〈外の荒野〉のさらに果てに暮らすエリンは世界から切り離され、孤独の中に生きている。ふたりは境遇も性格も正反対だが、その容姿は瓜二つだった。

 何世紀にもわたってじわじわと神々に見放されてきた世界はいま、ふたつに引き裂かれようとしている。それを阻止するには、ヴェイルとエリンはふたりをつなぐ秘密にわけいらなくてはならない。

 

オーストラリア・メルボルン在住の作家のデビュー作。安直に考えれば、なんらかの事情があって生き別れて育った姉妹がそれぞれの苦労を乗りこえて再会し、より大きなものに立ち向かう、という王道な道すじをたどりそうなプロットですね。オーストラリアの作品はあまりなじみがないので興味をひかれます。

 

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