つぎはコレ読みたい ~積ん読は積ん徳なり~

積ん読は積ん徳。駆け出し翻訳者が毎月「コレ読みたい!」新刊本を紹介しています。ミステリ全般、コージーミステリ、SF&ファンタジーを中心に。

『Murder on the Rocks』 by Allyson K. Abbott

 

Murder on the Rocks (Mack's Bar Mysteries)

Murder on the Rocks (Mack's Bar Mysteries)

 

 誰もが顔なじみの地元のバー、その名も〈マックス・バー〉を経営するのはマックことマッケンジー・ダルトン。じつはトラブルを”嗅ぎ分ける”超感覚の持ち主だ。
ある日、そのバーの裏通りで死体を見つけたマックはすぐさま”臭う”ことに気づいた。なにしろ、8ヶ月前にマックの父親が射殺されたのがまさにその場所で、今回の被害者はその父の元ガールフレンドだったから。担当刑事ダンカンも2つの死には関連があるとみてマックに協力を求めるが、あらゆる証拠が指し示す容疑者はマック自身・・・。

 

マックの「超感覚」というのはどうやら「共感覚」のことらしい。ある音を聞くと特定の色のイメージが浮かんだり特定の味を思いだしたりする。超能力とは違って、現実にこういう人はけっこういるらしいので、うさんくささはなさそう。

〈マックス・バー〉は元々、父ビッグ・マックが経営していたもので、彼の死後に娘のリトル・マックが受けついだという設定。店の上階に住んでいるというから、(リトル)マック自身も常連客たちとはすでに顔なじみだろうし、常連客たちも勝手知ったるなんとかで店ごとマックの応援団みたいなものか。町のうわさが集まるバーというのも情報の宝庫のはず。

 

いくつかのレビューを読むかぎり、これはとってもわたし好みなシリーズじゃないかと期待が高まります。

  

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『Gluten for Punisment』 by Nancy J. Parra

 

Gluten for Punishment (A Baker's Treat Mystery)

Gluten for Punishment (A Baker's Treat Mystery)

 

 母親が亡くなって故郷のカンザス州オイルトップにもどり、グルテンフリーのベーカリー〈ベーカーズ・トリート〉をオープンしたトニ・ライダー。小麦の産地で小麦を使わない食品を売ろうというのだから場違いも甚だしい。町の人々が小麦なしでおいしいものができるのかと反感をつのらせる中、町では20年ぶりという殺人事件が起きる。
開店当日にトニと店を罵っていた小麦農家のジョージ・マイスターが、よりにもよって店の前で死んでいるのが見つかった。容疑者になったトニは名誉挽回のために手がかりを追うことになる。

地元新聞で調査報道と担当していたトニの祖母ルースの協力をとりつけて調べにかかった矢先、第2の事件が起きる。

 

日本ではまだブームというほどにはなっていないグルテンフリー。ダイエット効果があるというけれど、元々はアレルギー対策としてグルテンを除去した食事のことだとか。それでもコージーミステリの作家さんたちが盛んに発信するレシピには、最近グルテンフリーのものが増えてるのも確か。女性たちには注目されてるのね。
著者のナンシー・J・パラは別名義も含めて3つのコージー・シリーズを進行中。

 

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Portrait of a Gossip by Melanie Jackson

 

Portrait of a Gossip (Miss Henry Cozy Mysteries Book 1) (English Edition)

Portrait of a Gossip (Miss Henry Cozy Mysteries Book 1) (English Edition)

 

 国家安全保障局(NSA)のエージェントを引退して水彩画家になっているジュリエット・ヘンリーにとっては、人間の心の貪欲さも愚かさもなじみ深いものだ。

 アーティストが集まるバーソロミュー・ウッズの芸術家村で、ゴシップ好きなら右に出るもののないハーヴィー・アレンが殺された。アクの強い住人たちのだれかが、彼の悪意あふれるうわさ話に業を煮やしたらしい。

 うわさの種にされるのは気の毒だとは思うけれど、一度味を占めた人間はいつかまた秘密を守るために殺人を犯すものだと考えるジュリエットは、村中が血の色に染まる前に犯人を見つけられるのか?

 

NSAって名前は聞いたことあっても何するところかはよく知らなかったので今回調べてみた。諜報機関ではあるけれど、CIAがスパイ活動なんかするのと違ってこちらは電子機器を駆使して情報収集とその分析とかをするのだそう。暗号解読がお得意らしい。

そんな経歴をもつジュリエットがその情報収集・分析力をどう活かして事件解決してくれるのかが読みどころということか。120ページくらいの中編なので、そんなにややこしいことにはなってないと期待。

作者のメラニー・ジャクソンはこれ以外にもいくつものミステリやロマンスのシリーズを書いているベテラン。

 

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Dying for Dinner Rolls by Lois Lavrisa

 

Dying for Dinner Rolls (Cozy Mystery) Book #1 (Chubby Chicks Club Cozy Mystery Series) (English Edition)

Dying for Dinner Rolls (Cozy Mystery) Book #1 (Chubby Chicks Club Cozy Mystery Series) (English Edition)

 

  ジョージア州サヴァナを素人探偵が縦横無尽に駆けめぐる?!
 〈チャビー・チック(ぽっちゃり女子)クラブ〉の仲間の一人が死んで、警察は自殺と判断したけれど納得いかないキャットはアニー・メイとともに犯人捜しに突入。
 取りかかったその日のうちに、銃口を向けられるわ、炎上するゴミ箱に閉じこめられるわ、食料品店から追い出されるわ、警察のフリをしたといってつかまるわ、車にひかれそうにはなるわ、とドタバタつづき。こんなんで犯人つかまえられるのか?

 

おなじみ Goodreads のレビューでは、星は平均3.27、とはいえ評は辛口が多めでちょっと不安になるなど。おもしろくて軽く読める、を目指したのが空回りしてる印象か? ユーモアの感じ方に個人差が大きそうな予感。

にしても158ページと短いからさらりと読むにはよさそう。

 


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Bake, Battle & Roll by Leighann Dobbs

 

  幼なじみといっしょにベーカリーを営むレキシー、今回はリゾートホテルのパティスリーシェフのピンチヒッターを務めることに。ところがそのホテルの料理長の死体を発見! しかも容疑者もいっぱい! 

 そして今回ももちろん、レキシーの祖母を中心とする〈レディース探偵クラブ〉のおばあさま方が iPad 振りかざして参戦!ww

 

レキシー・ベイカーシリーズ6作目。

このシリーズはページ数も少なめで、内容的にもサラリと読めるお手軽なところがウリだそうで。事件も毎回あっさり目。

わたし的にいちばんの推しどころはおばあちゃんたち。今回はリゾート地にくりだしているようだけど、基本的に老人ホーム暮らしの4人。彼女たちがアームチェアディテクティブよろしくなんでもかんでもネットで検索して調べ上げてくれちゃうあたりがバカバカしくも爽快。

 

 
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Pumpkins in Paradise by Kathi Daley

 

  母が自動車事故で亡くなってから父親の違う幼い妹たちの後見人となったTJ・ジェンセンは、父や祖父の支援を受けるためセレニティにやってきた。秋も深まってきたある日、友人で師と仰ぐザカリーを訪ねたTJは彼がお気に入りのイスにすわったまま死んでいるのを発見する。警察は事件性がないとして片付けようとするが、納得のいかないTJは事件を調べることにする。

 

 TJの家庭は複雑だ。両親は離婚して、母は再婚して年の離れた妹たちを産んだ。父は祖父の代から続く湖畔のリゾートを経営している。TJ自身は高校の体育教師でサッカーチームのコーチもしている。ボランティアにも熱心なTJの日常はさぞかし大忙しだろう。

 湖畔のリゾートが舞台というのは町の描写が楽しみ。季節ごとに雰囲気が変わっていくだろうと思うとシリーズの続きも期待できそう。

 作者のキャシー・ダレイは他にもコージーのシリーズ作品を書いている人気作家。本シリーズもすでに6作まで出ている。Goodreadsの「こちらもおすすめ」本をながめるかぎり、わたしの好みに合っていそうな予感。

 

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海辺の幽霊ゲストハウス E・J・コッパーマン

海辺の幽霊ゲストハウス (創元推理文庫)

海辺の幽霊ゲストハウス (創元推理文庫)

基本的に、幽霊が出てきたり魔法を使える人がいたりするスーパーナチュラルな作品は好みではないのだけど。だってコージーミステリって、ただでさえどこにでもいるようなフツーの人が毎回毎回殺人事件に巻きこまれるという無理矢理な設定の中でそれでも「ミステリ」を名のるからにはそれなりに捜査したり推理したりするわけだけど、そこへさらに超常現象が絡んできたら何でもありになりすぎでしょうが。

でもまあ、そう言ってると翻訳物ではどうしても数が限られることでもあるし、久しぶりに翻訳されたものを読みたくなったので手にとってみました。

訳者あとがきを読んだかぎりでは、主人公はDIYならお手の物、でも料理はからっきしだめな「女子力ゼロ」なシングルマザーだとか。そんなひとがゲストハウスなんてやっていけるのかしら? ゲストハウスってB&Bとか民宿みたいなものでしょ? 料理人をべつに雇うの? こういうのは主人公自身が腕をふるうのが定番というか、お楽しみの部分だと思うのだけど。そのへんをどう誘い込んでくれるか、期待してもいいかな?


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