つぎはコレ読みたい ~積ん読は積ん徳なり~

積ん読は積ん徳。駆け出し翻訳者が毎月「コレ読みたい!」新刊本を紹介しています。ミステリ全般、コージーミステリ、SF&ファンタジーを中心に。

気になる新刊 ~2020年1月~

 

Careless Whiskers (Cat in the Stacks Mystery Book 12) (English Edition)

Careless Whiskers (Cat in the Stacks Mystery Book 12) (English Edition)

  • 作者:Miranda James
  • 出版社/メーカー: Berkley
  • 発売日: 2020/01/21
  • メディア: Kindle
 

 

『Careless Whiskers』 by Miranda James

シリーズ:Cat in the Stacks #12

カテゴリ:コージーミステリ

 

 大学図書館のアーカイヴィスト、チャーリー・ハリスはもう二度と殺人事件の捜査にはかかわるまいと誓った。そんなことより、勤務先の大学の演劇学科が上演する、地元にゆかりのある新人脚本家による芝居で娘のローラが主演するのを応援するほうが楽しみ。しかも演出するのはローラの夫フランクなのだ。

 ところが、ローラがハリウッドにいたころから知っている俳優ルーク・ロンバルディがゲスト出演することが判明する。彼はなにかと高圧的な態度をとる男で、乗りこんできてそうそうに周囲に嫌われる。そんな彼が舞台上でローラが手渡した飲み物を飲んで死んでしまうと、ローラが真っ先に疑われることになった。

 愛する娘のためならば誓いなどなかったも同然、犯人にスポットライトを当ててやるのだ!

 

 このシリーズの1作目、Murder Past Dueはたしかどこかに持込みしたことがあったはずなのだけど、アピール力不足でボツになったのよねぇ。ほんとにこれが翻訳されないのはもったいないと思うのだけど。図書館だし猫だしイケオジ(笑)だし。

 とにかく巨大なメインクーンディーゼルはいかにも猫らしい猫で、事件の捜査に役立つことはまずないんだけど、人の気持ちの変化に敏感で、いつも励ましたりそっと寄り添ってくれたりするのがなんとも癒されるのです。都合よすぎ、ってくらいに情報源をもってる同僚とか、老いらくの恋(?)とか、コージーらしさ全開なとこも大好き。

 

 

 

 

『The House on the Lake』 by  Nuala Ellwood

シリーズ:ノンシリーズ

カテゴリ:スリラー

 

 リサは支配欲の強い夫の前から姿を消す必要があった。友人のグレイスがヨークシャーに持っている古くてだだっ広い家ならぴったりだと思った。いちばん近い町まで何マイルもあるし、そんなところにリサと息子のジョーが隠れてるなんて誰にもわからないのだから。ところが、村の女性が訪ねてきたことから、ここも思ったほど安全ではないのかもしれない。

 グレイスは秘密の使命を果たすため、父から戦い方を叩きこまれて育った。この家にふたりきりで暮らし、地元の人々を信用せず、彼らと交流もしなかった。

 グレイスは、そしてこの家は、いったいどんな秘密を隠し続けてきたのか。過去に追いつかれそうになったリサは、どうすれば生き延びることができるのか。

 

 なにかと妻の行動をしばりたがるモラハラ夫から、子供を連れてどう逃げ切るか、というのは日本でも他人事じゃないくらい問題になってますが。公的な支援にたどりつければいいけれど(それもあてにならないこともあるけど)、親族や友人知人が力になってくれるなら心強く思うよね。でも頼みのその友人がワケアリだったら……?

 現在と過去を行き来しながら進むストーリーは最近はやり? ていうか最近そればっかりな気がするような。それだけ解決に時間が必要な複雑な事件を描いているということなのだろうけど。

 

 

The Frost Eater (The Magic Eaters Trilogy Book 1) (English Edition)

The Frost Eater (The Magic Eaters Trilogy Book 1) (English Edition)

 

 

『The Frost Eater』 by Carol Beth Anderson

シリーズ:The Magic Eaters Trilogy #1

カテゴリ:ファンタジー

 

 17才のプリンセス・ノラは冷気を食べて魔法の氷をつくる。暮らしぶりは贅沢だが息が詰まりそうだ。

 クレイ・ウェストには珍しい魔法の才能があった。羽根を食べると空を飛べるのだ。彼は行方が知れなくなった恋人ゼイシャを見つけようとしている。権力者にさらわれたと考えている。クレイはその魔法の力のおかげで宮殿に招かれる。冒険と友情を求めるノラはゼイシャ探しに協力を申しでる。クレイは君主制には不服だが、ゼイシャのために受け入れる。

 だが彼らが想像もしなかった真実が明らかになる。

 ゼイシャは暗闇の中で目覚め、明るい時の記憶は忘れている。彼女の見る夢は過去の光景を垣間見せる。ノラとクレイが助けだせなければ、ゼイシャは自分を見失ってしまうだろう。

 

 魔法があり、ドラゴンがいる世界で少年少女が助け合って大切な人を救出する、なんてベタと言えばベタだけど、だからこそ読者モニターがみな高評価をつけてる理由が知りたくなる。これ以前にSun-Blessed Trilogyという3部作を出していて、これも数は少ないながらとても高く評価されているので、ハマる人にはハマるたぐいのスタイルを持った作家さんかも。

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