つぎはコレ読みたい ~積ん読は積ん徳なり~

積ん読は積ん徳。駆け出し翻訳者が毎月「コレ読みたい!」新刊本を紹介しています。ミステリ全般、コージーミステリ、SF&ファンタジーを中心に。

気になる新刊 ~2019年11月~

すっかり遅くなりましたが11月発売分ですよ!

 

Woman in the Water: The gripping twisty new thriller from the Sunday Times bestseller (English Edition)
 

 

 

『Woman in the Water』 by  Katerina Diamond

シリーズ名:DS Imogen Grey #6

カテゴリ: サスペンススリラー

 

 わたしは生きてる……。でも助けてはもらえない。

 冷たい川底に沈んでいる女性を発見した警察は、彼女が生きていることに驚愕した。ところが、彼女は自分の名前も、何があったのかも、ひとつとして話そうとせず、血液やDNAサンプルの提出さえ拒む。虐待を受けていたのは明らかなのだが……。そして次の犠牲者が見つかると、彼女は病院のベッドから姿を消した。

 たったひとつの手がかりを追ってリース・コリガン宅を訪れた警官コンビ、エイドリアンとイモジェンはリースの妻アンジェラを見たとたん、川で見つかったあの女性だとわかった。ただし、体じゅうの傷跡をていねいに隠している。

 夫妻のことを知れば知るほど、彼らのことがわからなくなっていく。彼女はどんなわけがあって救いを拒絶するのか。しかし捜査が進むほどに、エイドリアン部長刑事の家族とのかかわりが浮かびあがってくる。

 

 ギリシャ育ちで英国在住の作家。シリーズ名は部長刑事イモジェン・グレイを前に出してはいるものの、中身はエイドリアン・マイルズとのバディものと言えそう。2016年のデビューから、いまのところデヴォン州を舞台にしたこのシリーズのみ次々と発表している。

 

 

 

 

『Holiday Roast Mortem』 by  Tonya Kappes

シリーズ名: Killer Coffee #7

カテゴリ: コージーミステリ

 

 クリスマスが近づくなか、ロキシーは〈ザ・ビーン・ハイヴ〉で家族と友人だけのディナーパーティーを計画中。忙しいあいまを縫ってパトリックがレストランディナーに誘い出してくれたのはよかったが、となりのテーブルのカップルが終始ケンカしてるとなると雰囲気も台無し。それでも帰り道にそのカップルの車が湖に突っこんだのを見ては放っておけず救助に向かうも、男性のほうはすでに死んでいた。

 検視の結果、死因は事故ではなく、その妻が容疑者となる。ところが裁判ではロキシーの元夫が死んだ男性の弁護人を引き受けることになり、妻が隠していた情報がもれてくると、彼女はロキシーを利用して逃げ切るつもりらしい……。

 

 湖に面した小さな町ハニースプリングスで唯一のコーヒーハウス〈ザ・ビーン・ハイヴ〉を経営するロキシー・ブルームは元弁護士。設定もキャスティングもいかにもコージーらしい、ゆる~く楽しめるシットコムミステリー。

 いくつものシリーズが快調に巻を重ね、Camper & Criminalsシリーズは映画化のオプションが成立したもよう。

 

 

 

Legacy of Ash (The Legacy Trilogy) (English Edition)

Legacy of Ash (The Legacy Trilogy) (English Edition)

 

 

『Legacy of Ash』 by  Matthew Ward

シリーズ名:Legacy Trilogy #1

カテゴリ:ファンタジー

 

 トレシアン共和国は崩壊の危機にあった。ハダリ帝国の軍隊が国境に迫ってきているというのに、共和国の支配層は己の野望に囚われて互いを陥れようとするばかり。そんななかからも英雄はあらわれる。

 ヴィクトール・アカドラは偉大なる戦士だが、公になれば異端の誹りを逃れえない秘密を隠しもっている。ヴィクトールが火あぶりになるなら、ジョシリ・トレランは大歓迎することだろう。ジョシリが新たな反乱を企てるいっぽう、彼の妹カレンは家族のしがらみから逃れようとする。

 それぞれの想いをべつにして、共和国を救うために3人は協力しなければならない。勝利を手にするには想像を超えた対価が必要だ。

 

 ボードゲームウォーハンマー40000』で知られるGames Workshopでプリンシパル・アーキテクトをしていたとう作者は、古い場所――城、古都、ロンドンの地下――が大好きだそうで、初めてのファンタジー小説という本作でどんな描写をしてくれるのかが楽しみ。

 

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