Next Girl to Die (The Calderwood Cases Book 1) (English Edition)
- 作者: Dea Poirier
- 出版社/メーカー: Thomas & Mercer
- 発売日: 2019/05/01
- メディア: Kindle版
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『Next Girl to Die』 by Dea Poirier
シリーズ名:The Calderwood Cases #1
カテゴリ: サスペンス
15年まえに姉レイチェルを殺されたクレア・カルダーウッドは、その後故郷を離れて刑事になった。その故郷で、レイチェルと同様の手口で殺人事件が起きたことで、クレアはふたたび過去に呼び戻される。捜査を開始してまもなく、記者のノア・ワシントンがしつこく質問してくるのに閉口するが、少しずつレイチェルの死の真相がわかってくるにつれて、ノアを頼りにするようになっていく。
若い時に近しい人を事件・事故で亡くして後に警察や司法に関わる職に就いた主人公が未解決の過去の真相を探る……という設定は珍しくはないし、この作品が他とは違う特別なものを持っているとも限らないけれど、この表紙の雰囲気が好き(ジャケ買い、てやつですね)。
ナンバーワンよりオンリーワン、なんて言うけど、似たり寄ったりのワン・オブ・ゼムだってひとつひとつの細部は違うわけで、そういう意味では「またひとつのこういうケース」をいくつでも読みたいということはあるのです。
Staging is Murder (A Laura Bishop Mystery Book 1) (English Edition)
- 作者: Grace Topping
- 出版社/メーカー: Henery Press
- 発売日: 2019/04/30
- メディア: Kindle版
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『Staging is Murder』 by Grace Topping
シリーズ名: Laura Bishop Mystery #1
カテゴリ: コージーミステリ
ローラ・ビショップが初めてつかんだホームステージングの仕事は、19世紀にたてられた屋敷だった。もう何十年も手を入れていないオンボロ屋敷を、今の時代に売れるように装飾しなおすのだ。ところが、ランドリーシュートを死体が滑り落ちてきたとなれば、花模様の壁紙を張り替えるだけでは仕事は終わらない。ましてやアシスタントが容疑者にされてしまうなんて!
始めたばかりの事業を続けていくには一日も早く事件を解決してもらわなければ。それなのに、事件を担当する刑事と不動産業者というふたりのイケメンは話をややこしくするばかり。何かというと星占いを振りかざしてくる親友や頑固者のおばあちゃんの口出しをかわしつつ、ローラは廃業の危機を回避できるのか?
日本ではなかなか根付かないようですが、アメリカではホームステージングという職業はそれほど珍しくないようですね。中古住宅を売るために、新築と同じように室内装飾を施してみせるものです。新築の住宅ではモデルハウスに家具家電を設置して生活をイメージしやすくするのは一般的なのに、中古の場合は壁や床の張り直しなどリフォームが優先されるので、買い手が見せられるのはキレイだけど空っぽの室内、ということが多いのでは?
テクニカルライターとして、長年にわたってムダもなければ面白みもない文章をつづってきた作者は、これまでに出会ってきた「イヤなやつら」をフィクションの中でひどい目に合わせるのを楽しんでいる(笑)そう。
The King Who Disappeared (English Edition)
- 作者: Hank Quense
- 出版社/メーカー: Strange Worlds Publishing
- 発売日: 2019/04/15
- メディア: Kindle版
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『The King Who Disappeared』 by Hank Quense
シリーズ名:ノンシリーズ
カテゴリ:ファンタジー
邪悪な魔術師ジェラドにかけられた魔法によって、ボーハン王は200年もの間、閉ざされた洞窟にとらわれていた。王のおかかえ魔術師アンスガーは王とその従者たちを眠りにつかせたが、地震でその洞窟の入り口が崩れたとき、眠りの魔法もまた解かれた。
王の一行は自分たちがどれほど長いあいだ眠っていたのか見当もつかなかったが、見回りにやってきたレティシアと名乗る女性から基本的な情報を教えてもらう。彼女はこの一行が学校で教わった伝説の〈消えた王様〉だと気づく。彼女は王に、現在この国を支配しているのはジェラドという魔術師だと告げる。
ボーハン王は首都ダン・ハイスに行って復讐を果たそうと決意する。ジェラドの娘フラヴィアによって父を幽閉されているレティシアもまた、王に同行することにした。それに気づいたジェラドは娘フラヴィアと息子リスゴウにそれぞれ兵を与えて迎え撃たせるが、ダン・ハイスの市民は王の側につくことを決め、王たちを市内にかくまう。
重厚なストーリーかと思いきや、ユーモアと風刺が盛りだくさんの痛快勧善懲悪ものらしいです。作者のハンク・クエンスはこのユーモアと風刺が大好きなようで、他の作品もこういう作風なんだとか。小学生を対象に小説の書き方やキャラクターの作り方を教えることもあるというから、「とにかく面白いのがいちばん!」という考えなのでしょう。ならば、読むほうもとにかく楽しんだもの勝ち!