つぎはコレ読みたい ~コージーミステリ三昧~

果てしない積読山脈をじりじりと登攀中。未訳作品中心に、自分が読みたい本、みんなに読んでほしい本を紹介しています。

気になる新刊 ~2017年12月(その1)~

 いよいよクリスマスシーズンですね! 

というわけで、クリスマスや雪のイメージ満載な感じのラインナップになっておりますよ!

Body In The Snow: A Small Town Mystery (Snow Ridge Mysteries Book 2) (English Edition)

Body In The Snow: A Small Town Mystery (Snow Ridge Mysteries Book 2) (English Edition)

 

 

『Body In The Snow』 by Emma Lee

シリーズ名:Snow Ridge Mystery #2

 

 その男が殺された事件は、すぐにでも解決するように思われた。ところが、とある有力な女性政治家が乗りこんできて、男の妻を容疑者として引き渡すよう求めたところから、事件は意外な方向に進みはじめる。

 しかしボニー・メイベリーは、この政治家が偽物ではないかという疑いを持つようになった。というか、この女は人殺しであるだけでなく、世界征服を企んでいるのでは?

 

 130ページ程度の中編シリーズ。主人公のボニーはミステリー作家。つらい離婚を経験して知り合いのいない田舎に引っ越してくるのはコージーの王道ですね。短くて安くて(Kindle版で¥111!)さらりと読める、Goodreadsでの評判も上々、ということで洋書初心者にもおすすめです。

 

期待度:★★★★

 

 

Mistletoe Murder (Dewberry Farm Mysteries Book 4) (English Edition)

Mistletoe Murder (Dewberry Farm Mysteries Book 4) (English Edition)

 

 

『Mistletoe Murder』 by Karen MacInerney

シリーズ名:Dewberry Farm Mystery #4

 

 クリスマスが近づいたある日、背中を刺されて死んだ男の髪にはヤドリギの枝が絡まっていた。保安官は妻の犯行と断定するが、ルーシーには納得がいかない。調べはじめると出てくる出てくる……被害者の私生活はツリーを飾る電飾コードよりこんがらがっていた。これじゃ、いつ次の犠牲者がでてもおかしくない!

 

 〈朝食のおいしいB&B〉シリーズのカレン・マキナニーによる新しいシリーズも早4作目。主人公ルーシー・レズニックは記者稼業を引退し、祖母の農園をついで畑仕事や家畜の世話にいそしんでいる。獣医の恋人とのやりとりも微笑ましいですよ。

 

期待度:★★★★

 

 

Comic Sans Murder (A Dangerous Type Mystery)

Comic Sans Murder (A Dangerous Type Mystery)

 

 

『Comic Sans Murder』 by Paige Shelton

シリーズ名:Dangerous Type Mystery #3

 

 祖父チェスターといっしょにやっているタイプライターや古書の修復を専門とする店に、そのタイプライターを使って新作を書いてもらうために売れっ子ホラー作家を招いたクレア・ヘンリー。ところがクレアの高校の同級生が死体となって見つかると、ホラー作家の探求心に火がついてしまい、クレアとその友人で警官のジョディの捜査にまで首を突っこんでくる始末。作家に続きを書いてもらうには、はやく解決するしかない!

 

 パウダースノーが自慢のスキーリゾート、スターシティには古き良き時代のカワイイものをあつかう店が並んでいる。その1つ、〈レスキュード・ワード〉を舞台にしたシリーズ。

 

期待度:★★★

 

 

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気になる新刊 ~2017年11月(その2)~

今回はいつもと一味違うラインナップになってますよ。

 

Murder in the Manuscript Room: A 42nd Street Library Mystery (The 42nd Street Library Mysteries)

Murder in the Manuscript Room: A 42nd Street Library Mystery (The 42nd Street Library Mysteries)

 

 

『Murder in the Manuscript Room』 by Con Lehane

シリーズ名:42nd Street Library Mystery #2

 

 ニューヨーク公共図書館で犯罪小説担当のキュレーターを務めるレイモンド・アンブラーが、若い女性スタッフの一人が殺された事件にひとかたならぬ関心を寄せることになったのは、「友達以上」と思っているアデル・モーガンがなんらかの関係があると思われたからだ。

 ところが、事件の担当は、NY市警殺人課から諜報部門に引きつがれた。諜報部が出てくるということは、アデルがこのところ興味津々のあのイスラム学者と何か関係が……?

 

 マンハッタンの五番街と42丁目の角にあるニューヨーク公共図書館が舞台になったシリーズ2作目。コージーには珍しい男性作家で、舞台も都会のド真ん中。しかも観光スポットでもある中央図書館の裏側が垣間見えるかも? と期待してみたり。

 

期待度:★★★

 

 

Mrs Pargeter's Public Relations (A Mrs Pargeter Mystery)

Mrs Pargeter's Public Relations (A Mrs Pargeter Mystery)

 

 

『Mrs Pargeter’s Public Relations』 by Simon Brett

シリーズ名:Mrs Pargeter #8

 

 ミセス・パージェターがノラ猫たちの里親探しをするチャリティイベントに協力することになったのは、動物が好きだからというよりも、根っからの気前のよさからそうなったといったほうが当たっている。

 そのイベントで、亡き夫の妹を名乗る女に出会ってびっくり仰天したミセス・P。思いがけない出会いから過去の秘密を掘りかえすことになり・・・。

 

ハヤカワ・ポケットミステリで90年前後に数冊翻訳されたシリーズ。あちらでも98年の6作目以降しばらく新刊が出ていませんでしたが、2015年に復活。翻訳のほうも復活を、ぜひ!

 

期待度:★★★

 

 

Death Comes to the School (A Kurland St. Mary Mystery)

Death Comes to the School (A Kurland St. Mary Mystery)

 

 

『Death Coms to the School』 by Catherine Lloyd

シリーズ名:Kurland St. Mary Mystery #5

 

 結婚から3年、ロバート・カーランド少佐とルーシーは、二人の間に溝を感じはじめていた。ところが、ルーシーが魔女だと告発する匿名の手紙が舞いこんだことで小さな村は大騒ぎに。そんなおりに、村の学校で先生をしているミス・ブルームフィールドが教室で殺されているのが見つかり、匿名の手紙の主ではないかという疑いも出てきた。

 ルーシーは代用教員が来るまで学校の手伝いを買って出るが、子供たちからなにかヒントが見つかるのか?

 

ビクトリア時代より前、摂政時代(19世紀初頭)を舞台にしたヒストリカルコージー・ミステリワーテルローの戦いで負ったケガの治療のために故郷に帰ってきたカーランド少佐と、幼なじみで教区牧師の娘ルーシー・ハリントンが小さな村の難事件を解決するシリーズ。

 

期待度:★★★

 

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気になる新刊 ~2017年10月(その1)~

 

The Witches' Tree: An Agatha Raisin Mystery (Agatha Raisin Mysteries)

The Witches' Tree: An Agatha Raisin Mystery (Agatha Raisin Mysteries)

 

 『The Witches’ Tree』 by M. C. Beaton

シリーズ名:Agatha Raisin Mystery #28

カテゴリ:

 コッツウォルズ住民は天候不順には慣れているとはいえ、着任まもない教区牧師夫妻がサンプトン・ハーコートでのディナーパーティーから帰る道はことのほか霧が深かった。目を凝らしながら運転していると、村はずれでいきなり目の前に現れたのは、節くれだった木の枝からぶら下がった死体! 独身老女が殺されて村中が騒然となる中、不謹慎にも心が浮き立つアガサ。しかし魔女集団がいるという村では情報も集まりにくく、アガサは身の危険を感じるように……。

 

翻訳も順調に9作目まできた人気シリーズ、アガサ・レーズンの28作目(!)。本国ではドラマ化もされていますが、日本ではまだみられないんでしょうか(涙)。

 

期待度:★★★★

 

 

Baker’s Deadly Dozen (A Fresh-Baked Mystery Book 13) (English Edition)

Baker’s Deadly Dozen (A Fresh-Baked Mystery Book 13) (English Edition)

 

『Baker’s Deadly Dozen』 by Livia J. Washburn

シリーズ名:Fresh-Baked Mystery #13

カテゴリ:料理、下宿屋、

 友人のかわりに代替教員を務めることになったリディアとサムは、学校という現場の変わりように目を丸くしつつ、懐かしさも感じていた。朝早く起きて学校に行き、生徒たちやほかの先生たちとかかわり、課外活動の手伝いをするのは楽しいが、まさか課外活動中に死体を発見するとは想定外だった。

 〈13日の金曜日〉ダンスパーティのさなかの事件で犯人と疑われたのは生徒のひとり。その少年に恋しているサムの孫娘はもちろん、フィリスもまた彼が犯人とは考えられない。

 

 ランダムハウスからヴィレッジブックスに移って続くかと思いきや翻訳がストップしている「お料理名人の事件簿」シリーズ。毎回おいしそうなお料理も満載なのに、売れないのかなぁ・・・(号泣)。

 

期待度:★★★★

 

 

Death Overdue: A Haunted Library Mystery

Death Overdue: A Haunted Library Mystery

 

 『Death Overdue』 by Allison Brook

シリーズ名:Haunted Library Mystery #1

カテゴリ:図書館、幽霊

 クローバーリッジなんて田舎町には見切りをつけたはずのキャリー・シングルトンが図書館で開かれるイベントの責任者に抜擢されて驚いたのは、そこに司書の幽霊がいたこと。しかも、最初に取り掛かることになったイベントというのが、引退した元殺人課刑事アル・バックレイが依頼してきたもので、15年前に殺された図書館臨時職員ローラ・フォスターの事件を洗いなおしてほしいというのだ。ところがそのバックレイも、イベント参加者の目のまえで毒殺されてしまう。責任を感じて過去の事件を探りだすキャリーの味方は、なんでも知ってる司書の幽霊だ。

 

 殺人事件の捜査に幽霊がかかわってくる話は、どうしてもズルしてるみたいでミステリとしてどうかと思ってはいるのだけど、コージーに登場する幽霊はたいていフレンドリーでユーモラスに描かれるから、翻訳されるチャンスもあるかな? 図書館という設定も本好きならいろんな「あるある」を楽しめるのではないかと期待してます。

 

期待度:★★★

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気になる新刊 ~2017年9月(その2)~

 

Turkey Trot Murder (A Lucy Stone Mystery)

Turkey Trot Murder (A Lucy Stone Mystery)

 

 『Turkey Trot Murder』 by Leslie Meier

シリーズ名:Lucy Stone Mystery #24

カテゴリ:新聞記者、感謝祭、

 一段と冷え込んできたティンカーズコーヴ。今年は静かな感謝祭になると思っていたルーシーだが、池で死体が見つかったとあってはそうもいかず。被害者は裕福な投資家の娘で、麻薬中毒にも苦しんでいたアリソン・フランクリン。警察は過剰摂取による事故と判断するも、ルーシーは葬儀の場で父親の後妻に不信感を覚える。

 

 東京創元社からでているルーシー・ストーン・シリーズ、翻訳は10作で止まってしまっているようですが、本国では早くも24作目、まだまだ人気が衰える様子はありません。今回は人種差別や移民問題などにも踏み込み、コージーながらいま現在の社会の問題を絡めてきているようです。ホリデーシーズンの設定にしては重めかも。

 

期待度:★★★

  

 『A Treasure to Die For』 by Terry Ambrose

シリーズ名:Seaside Cove Bed & Breakfast Mystery #1

カテゴリ:中編、B&B

 16世紀に沈没したガリオン船の積まれていたはずのお宝目当てにやってきた8人組。カリフォルニアの海に面した小さな町シーサイドコーヴの人たちは相手にもしていなかったが、そのうちの一人が殺されると、彼らが泊まっていたB&Bのオーナーであるリック・アトウッドもあせらずにはいられない。首を突っこんでくる10歳の娘はお荷物なのか、それとも意外なブレーンになるのか?

 

 コージーには珍しい男性作家テリー・アンブローズは、これまでにコージー以外のミステリー作品を多数発表しています。本作品の主人公となるのはこれも珍しい父子家庭。表紙に描かれたB&Bの室内がなんとも心地よさそう。

 

期待度:★★★

 

 

 『Mousse Moscato & Murder』 by Jamie Lee Scott

シリーズ名:Food & Wine Mystery #3

カテゴリ:ワイン&料理、ワイナリー、

 ウィラ・フライデーは毎日、仕事の前に町のベーカリーでコーヒーとカップケーキを楽しむことにしている。このところ、その同じ時間、同じ席に座っている男性がいるのに気づいていた。ところが、いつも彼の接客をしていたベッカが店の裏にある駐車場で殺されているのが見つかり……。

 

 フード・ブロガーのウィラを主人公にしたシリーズ3作目。1作目ではブログで収益が出るようになってアシスタントを雇い、2作目では大学生になって家を離れた娘のかわりにそのアシスタントがようやく“使える”ようになり、3作目になってもまだまだ半人前扱い、ってどれだけ世話の焼けるやつなんだと思わなくもないけれど。

 そのブログに載せているレシピとともに、ワインとの組み合わせなどのうんちくも楽しそう。

 

期待度:★★★★

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気になる新刊 ~2017年9月(その1)~

 さて、ちょっと出遅れましたが今月も気になる新刊がたくさん出ますよ。

 『Cherry Filled Charges』 by Jessica Beck

シリーズ名:Donut Shop Mystery #33

 

 町に期間限定でビストロがオープンすることが決まったというのに、料理学校時代からのシェフのライバルがステージで殺されているのが見つかった! もちろん見つけたのはスザンヌだけど、頼みのジェイクは家族の一大事で町を離れているとあって、盟友グレースとともに犯人探しに出動!

 

 コージーブックスでもおなじみ、〈ドーナツ事件簿〉シリーズがもう33作目! 翻訳はまだ5作目までですが、続きもどんどん出してほしいシリーズですよね。

 あちらの読者の中にはさすがに飽きてきたらしいコメントも見受けられますが、これだけ長く続いていながら★平均4.39ってスゴイことですよ。

 

期待度:★★★★★

 

A Deadly Fundraiser (Talk Radio Mysteries Book 4) (English Edition)

A Deadly Fundraiser (Talk Radio Mysteries Book 4) (English Edition)

 

『Deadly Fundraiser』 by Mary Kennedy

シリーズ名:Talk Radio Mystery #4

 

 フロリダの地元ラジオ局でトークショーの司会を務める精神分析医マギー・ウォルシュ。アートセンターでの資金集めのイベントに参加することになり、ラジオ局の仲間たちと宝探しを楽しんでいたのに、見つかったのは今を時めく建築家の死体!

 

 シリーズのこれまでの作品とは違ってちょっと短め111ページの中編。このシリーズでは主人公が元精神科医なので、犯人の心理を探っていくところが面白いのと、マギーの母親で元女優のローラがかつて経験した役のために身に着けたさまざまな知識でバックアップしてくれるのが読みどころ。

 

期待度:★★★

 

Deadly Brew (Dewberry Farm Mysteries Book 3) (English Edition)

Deadly Brew (Dewberry Farm Mysteries Book 3) (English Edition)

 

『Deadly Brew』 by Karen MacInerney

シリーズ名:Dewberry Farm Mystery #3

 

 ハロウィンが間近にせまったテキサス州バターカップで、元リポーターにして今は農業に専念しているルーシー・レズニックはヤギと牛の群れに囲まれていた。おまけに最近農場に移築してきたばかりの古い家屋には幽霊が出るらしい――しかもそれがものすごく騒々しいといううわさが。さらにタロット占いで死が予言されると、大牧場のオーナーが死体で見つかる。

 

 かつてランダムハウスから出ていた〈朝食のおいしいB&B〉シリーズの作者、カレン・マキナニーの別シリーズ。〈朝食のおいしい~〉も現在7作目まで出ているのでぜひ続きを読みたいところですが、どこか引き取ってくれないかなぁ。。。

 さてこちらのシリーズでは主人公ルーシーが元リポーターだけに、あちこちつつきまわして情報をほじくりだすのはお手のもの! その手腕を発揮してくれるあたりが楽しみです。本作品には幽霊話がでてますが、ホーンテッドものではなさそう。

 

期待度:★★★★

 

 

Death Distilled: A Whisky Business Mystery

Death Distilled: A Whisky Business Mystery

 

 『Death Distilled』 by Melinda Mullet

シリーズ名:Whisky Business Mystery #2

 

 ウィスキー醸造所を相続してから3か月。アビゲイル(アビ)・ローガンは、若いころの憧れの人で地元では有名なロックバンドのリーダーだったローリーに頼まれ、彼を殺そうとしているのは誰かを探ることに。バンドのドラマーが不審死を遂げ、キーボード担当がひき逃げされて昏睡状態におちいると、ローリーは次こそ自分だと震えあがる。バンドメンバーたちがこれまでに起こしてきたトラブルを考えると容疑者リストは長くなるばかり……。

 

 調査報道を得意とするフォトジャーナリストとして賞を取ったこともあるアビゲイル。伯父から相続した醸造所をつづけるためにスコットランドのハイランド地方に帰ってきたのはいいけれど、あまり歓迎されていなかったみたい。調査能力とシャッターチャンスをとらえるセンスのよさは事件解決にどう活かされるのか? 

 

期待度:★★★

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気になる新刊 ~2017年8月(その2)~

 

Chime and Punishment (A Clock Shop Mystery)

Chime and Punishment (A Clock Shop Mystery)

 

 

『Chime and Punishment』 by Julianne Holmes

 シリーズ名:Clock Shop Mystery #3

カテゴリ:時計職人、

 

 数年前、風光明媚な小さな村オーチャードの静けさを打ち破って、皆に愛された時計塔が焼け落ちた。祖父から相続した時計店〈コグ&スプロケット〉を経営するルース・クラガンは、その時計塔を修復するという夢も受け継いでいた。ところが、資金集めのイベントで、町政担当者のキム・グレイが塔の鐘の下敷きになって死んでしまったために、町は騒然となる。何かというとルースの邪魔をしてくるキムのことは大嫌いだったが、身近な人や親しい人たちが容疑者になったのではじっとしてはいられない。

 

 歯車がいくつも組み合わさって時を刻む時計のしくみは、代表的な精密機械のひとつに違いない。時計を分解してそのしくみにほれぼれしたあと、もとに戻せなくなったなんて話を、昔はよく耳にしたものだ。弟たちがそうやって分解した時計をもとに戻してあげる役割だったという話を父からさんざん聞かされてきたが、機械に強い父はわたしの自慢だった。

 

 時計職人というと、わたしの中でちょっと前まではおじいさんのイメージがあったけど、今どきはどうなんだろう。1周まわってアナログなものの価値を残したい若い世代にはきっと女性もいるはずよね。本シリーズの主人公ルースもその一人だ。

 

 シリーズ3作目にしてようやく時計塔の修理にとりかかれるかと思った矢先の事件とあって、前途多難は避けられないもよう。ちなみに町政担当者というのは、選挙で町長を選ぶかわりに、(こちらは公選の)町議会が任命する町政の責任者だそう。

 

期待度:★★★

 

 

Macramé Murder (A Cora Crafts Mystery)

Macramé Murder (A Cora Crafts Mystery)

 

 

『Macrame Murder』 by Mollie Cox Bryan

 シリーズ名:Cora Crafts Mystery #3

 カテゴリ:ハンドクラフト、リゾート地、

 

 元カウンセラーでブロガーのコーラ・シュバリエが30代半ばにして人生をやり直すために選んだのは、ハンドクラフトの講習会ビジネスだった。

 今回はビーチの近くで貝殻のモザイクやシーグラスを使った飾り物などのクラスを開くことになったコーラ。ボーイフレンドと散歩していたときに出会った新婚さんもすてきな人たちで、すっかりビーチに魅せられたのもつかの間、翌日にはその新婦が死体で見つかってしまう。最初はクラゲに刺されたのが原因と思われたものの、ボーイフレンドのエイドリアンが殺したと疑われてしまい、またまた捜査に首を突っ込むことになるコーラ。

 

 マクラメ編みはご存知? 色とりどりの紐を編んだり結んだりして、アクセサリーやインテリア雑貨を作る手芸のひとつ。ナチュラルな雰囲気があって、カジュアルテイストな作品は見ているだけでも癒されます。手の込んだ編み目を見ると難しそうではありますが・・・。

 

 たまたまですが、8月(その1)で紹介したA Tangled Yarnと同じく、リトリートという合宿形式のワークショップを舞台にしたシリーズ。流行りなのかしら。

 

期待度:★★★

 

 

 

 『Smoothie Bowl Murder』 by Anna Lakewood

 シリーズ名:Harmony Café Mystery #2

カテゴリ:中編、カフェ、

 

 〈ハーモニー・カフェ〉のオーナー、オータム・ウッドは、姉を失業の危機から救うため、姉の代わりにホテル勤務のシフトに入ることになったが、まさかシワだらけのシーツや汚れた朝食トレイのほかに死体まで目にすることになるとは想像もしていなかった。ちょうど町では狩猟用弓矢の見本市が開かれていて、動物愛護団体がデモ行進をしにきているタイミングも重なり、容疑者リストは長くなるばかり。

 

 のんびりムードのサスペンスレスな(?)コージーミステリ。レシピ付き。100ページ余りで110円(kindle版、8/24現在)とお手頃なので、英語で小説を読むことになれていなくても手に取りやすいのでは? 

 

期待度:★★★

 

 

 

『High Stakes and Hazelnut Cupcakes in Las Vegas』 by A.R. Winters

 シリーズ名:Tiffany Black Mystery #10

カテゴリ:中編、カジノ、

 

 企業のCEOにして看護士、ハウスキーパーの顔ももつエイプリル・ウィルキンスが状況がどうみてもアヤシイとにらんで調べ始めたティファニーだが、嘘と大金が飛びかう裏世界をのぞきみてしまったおかげで命をねらわれるはめに……。

 

カジノのディーラー、ティファニー・ブラックが主人公の人気シリーズは早くも10作目。ティファニーの気持ちにおかまいなしに自分好みの男性をつれてきてはくっつけようとする母親をはじめ、個性的でゆかいな脇役たちがたくさんいるようで、ミステリとしては弱くてもコージーらしさを楽しめそうです。

 

 

期待度:★★★★

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気になる新刊 ~2017年8月(その1)~

今月前半は、大好きなネコが出てくる新シリーズと、日本でもすでにおなじみのシリーズ新刊がありますよ~。

 

Cat About Town: A Cat Cafe Mystery

Cat About Town: A Cat Cafe Mystery

 

 

『Cat About Town』 by Cate Conte

シリーズ名:Cat Café Mystery #1

カテゴリ:カフェ、猫、マサチューセッツ州

 

 マサチューセッツの沖合に浮かぶデイブレイク島に帰ってきたマディ・ジェイムズは、商売を――そしてあわよくば恋も――始めようと、意気込んでいた。ひょんなことから茶トラの野良猫を飼うことになったマディは、猫カフェを始めようと思い立つ。しかし、毛むくじゃらの新しい仲間が町の鼻つまみ者の死体を見つけたせいで悲惨な目にあうとは、予想もしていなかった。町じゅうの注目を集めるマディ(この猫飼い女はなにもの?)。ペットの毛の管理と事件の推理さえなければ、いまごろは彼氏候補のひとりやふたりは登場して彼女の関心を買おうとしていたはずなのに……。殺人犯がそのへんをうろついていたんじゃ、「ふたりは幸せにくらしましたとさ」なんて夢を見るわけにもいかないじゃないの!

 

 サンフランシスコでジュース・バーを営むマディが祖母の葬儀のために帰郷してみたら、祖父の借金のために家族が長年暮らしてきた家を手放さなくてはならないかもしれないことが判明。ところが借金の取り立てをしていたフランク・オマリーが殺され、最後にいっしょにいるところを見られたマディが疑われ……。

 借金があるというとダメ親父っぽく聞こえるけど、祖父のレオは地元の警察署長だったらしく、孫娘マディとの仲もいいそうなので、この2人のやりとりは面白そう。

 作者のCate Conteは、Pawsitively Organicシリーズを書いているLiz Mugaveroのペンネーム。

 

期待度:★★★★★

 

 

On Her Majesty's Frightfully Secret Service (A Royal Spyness Mystery)

On Her Majesty's Frightfully Secret Service (A Royal Spyness Mystery)

 

 

『On Her Majesty’s Frightfully Secret Service』 by Rhys Bowen

 

シリーズ名:Her Royal Spyness #11

カテゴリ:英国王妃の事件ファイル、貧乏お嬢さま

 

 出産をひかえてイタリアに滞在している親友のベリンダから手紙をもらったジョージ―。駆けつけたいと思っていたところへ渡りに船。パーティに招待されたイタリアで皇太子がこっそり結婚してしまうのを阻止せよという密命を王妃さまからうけて出向いたはいいけれど、ベリンダのことは秘密にしておかなければならないのが苦しいところ。ダーシーはいつものように極秘で行動中だし、ジョージ―の母も乱入(?)してくるし……。

 

 翻訳も順調に出ている人気シリーズ(翻訳はコージーブックスから7作目まで発売中)、はやくも11作目。今回は潜入(?)したパーティで出席者たちがそれぞれに何やら企んでいるようす。そこで招待客の一人が殺され、ジョージ―の母が容疑者となれば……。

 

期待度:★★★

 

A Tangled Yarn (A Yarn Retreat Mystery)

A Tangled Yarn (A Yarn Retreat Mystery)

 

 

『A Tangled Yarn』 by Betty Hechtman

 

シリーズ名:Yarn Retreat Mystery #5

カテゴリ:編み物、海辺のリゾート地、

 

 リゾート地にある高級ホテルで開かれるヤーン・リトリートの主催者として忙しい日々を送るケイシーだが、今回の目玉企画である指編みには興味が薄い参加者のために別の企画まで考えるはめに。そこへ追い打ちをかけるように、別のグループに参加していたトラベルライターがホテルの部屋で殺されているのが見つかり、ホテルオーナから助けを求められたケイシーは……。

 

 主人公のケイシーが運営しているヤーン・リトリートとは、宿泊をともなった編み物のワークショップのこと。サンフランシスコから南に2時間、モントレー半島というリゾート地を舞台に、編み物三昧の週末を楽しむイベントといったところ。

 この仕事は亡くなった伯母から引き継いだものだが、もともとケイシーはお菓子職人なので、ニットの編み方のほかにレシピもついているという欲張りなシリーズ。

 

期待度:★★★★

 

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