つぎはコレ読みたい ~積ん読は積ん徳なり~

積ん読は積ん徳。駆け出し翻訳者が毎月「コレ読みたい!」新刊本を紹介しています。ミステリ全般、コージーミステリ、SF&ファンタジーを中心に。

気になる新刊 ~2018年8月~

 

Pieces of Her: A Novel: 18

Pieces of Her: A Novel: 18

 

 

『Pieces of Her』 by Karin Slaughter

シリーズ名:ノンシリーズ

カテゴリ:ミステリ

 

 この人のことはよーく知ってる、と思う人物、たとえば自分の母親が、じつはまったく別人だったら?

 小さな町で言語療法士として暮らし、このままこの地で静かに年を取っていくものと思いこんでいた母がある日、ショッピングモールを襲った銃撃犯に立ち向かい、重傷を負った。犯人は30年にもわたって母を探していた。いったい母はどんな過去を隠していたのか。31歳になったアンディは、自分が生まれる前の母ローラの人生を解きほぐしていく。

 

 グラント郡シリーズでサラとその母との関係を描く面白さに気づいた著者がシリーズを離れて書いた「女の生きる道」。レビューによると、著者のこれまでの作品とはちょっと違って、あまりダークじゃない、てことは明るい雰囲気があるらしい。

 

 バイオレンス要素はあるけど、これまでの作品が血なまぐさくて苦手だった人も、新しいスローターを発見できるかも。

 

 

 

The Psychology of Time Travel (English Edition)

The Psychology of Time Travel (English Edition)

 

 

『The Psychology of Time Travel』 by Kate Mascarenhas

シリーズ名:ノンシリーズ

カテゴリ:タイムトラベルミステリ

 

 1967年、4人の女性科学者のチームがタイムマシンを開発した。だが発表を目前にしながら封印を余儀なくされる……。

 50年後、タイムトラベルは大流行している。ルビー・レベロは祖母がその開発者の一人だったと知るが、詳しいことはわからなくなっていた。ルビーが手に入れた未来から届いた新聞記事の切り抜きには、身元不明女性の殺害が報じられていた。これは祖母のことなのか? 今なら殺人事件を阻止できるのか?

 

 タイムトラベルが可能になったら未来を変えられるのか、というテーマはさんざん出尽くしたのかもしれないけれど、新人作家はこのデビュー作で女性の生き方から家族の絆まで盛り込み、このテーマをどう料理したのか、気になる1冊です。

 

 

 

Tail of the Dragon (A Zodiac Mystery)

Tail of the Dragon (A Zodiac Mystery)

 

 

『Tail of the Dragon』 by Connie di Marco

シリーズ名:Zodiac Mystery #3

カテゴリ:コージーミステリ

 

 サンフランシスコで占星術師をしているジュリア・ボナティは、元上司に頼まれて彼の弁護士事務所に潜入する。過去の事件につながりのある3人の人物に脅迫状が届いたのだ。ジュリアは占いで手がかりを見つけるが、誰も耳を貸してくれない。そうこうするうち、早くも2人が殺されてしまった。身の危険を感じたジュリアは犯人を追い詰められるのか?

 

 コージーブックスから出ている〈スープ専門店〉シリーズでおなじみ、コニー・アーチャーの別名義で書かれた占星術ミステリーの3作目。レビューでは最後のどんでん返しにやられた! って人が多いみたいで、コージーでもしっかりミステリしてると思われるあたり、そそられますね。

 

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気になる新刊 ~2018年7月~

半年ほどお休みしてましたが、再開しますよ~ヾ(*´∀`*)

これまではコージーミステリに絞って紹介してきましたが、もう少し幅を広げてミステリ全般やSF&ファンタジーからも取り上げてみたいと思います。

よろしくどうぞ。

 

 

 Fishing, Forest & Forgery

by Tonya Kappes

シリーズ名:Camper & Criminals #3

カテゴリ:Cozy

ページ数:280ページ

 

ニューヨークで華やかに暮らしていたメイ・ウェストだが、夫が出資金詐欺で逮捕されたおかげで一文無しのホームレスに!? 没収を逃れた財産はケンタッキー州にあるキャンプ施設とRV車のみ。そこでキャンプ場の経営者として人生をやり直すことにしたが……。

 

ケンタッキー州ノーマルという場所はノーマルなところがひとつもない! 風光明媚とは言い難いこの土地で観光業はやっていけるのか? キャンピングカー暮らしも慣れてきたメイの活躍に期待したい。

 

1、2作目は約200ページと短めなこのシリーズ、さらりと読める箸休めみたいな気軽さがうれしい。

 

 

 

The Girl in the Letter

by Emily Gunnis

シリーズ名:ノンシリーズ

カテゴリ:Mystery

ページ数:384ページ

 

1950年代のイギリス。未婚の母は施設に集められ、出産を終えると子供は強制的に養子に出されていた。

 

半世紀以上の時が流れた現代。ジャーナリストの卵サマンサ・ハーパーはふとしたことからこの収容施設にいた若い母親からの手紙を受け取る。そこに書かれた死の謎を解こうと動き出すが、その施設はいままさに取り壊されようとしていた。

 

つい先日も妊娠した女子生徒が「自主退学」を迫られるケースが多いというニュースを見たばかり。望まない妊娠・出産や、養子縁組など、少子化の時代だからこそ授かった命を社会全体で支えていくということについて、考えさせてくれそうな問題作。

 

 

Redemption’s Blade

by Adrian Tchaikovsky

シリーズ名;After The War #1

カテゴリ:SF&Fantasy

ページ数:520ページ

 

10年前、地中深くから呼びだした怪物たちの一団を引きつれた半神半人の背教者キンスレイヤーが復活した。玉座は覆され、街は崩壊したが、キンスレイヤーはついに息絶えた。

 

戦いを生き延びたセレステインは、世界を立て直そうとヨルグァンの兵士たちとともに地道に励んでいたが、彼女の前には不信感と私欲から抗争をくりかえす敵の残党が立ちはだかる。

 

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気になる新刊 ~2017年12月(その1)~

 いよいよクリスマスシーズンですね! 

というわけで、クリスマスや雪のイメージ満載な感じのラインナップになっておりますよ!

Body In The Snow: A Small Town Mystery (Snow Ridge Mysteries Book 2) (English Edition)

Body In The Snow: A Small Town Mystery (Snow Ridge Mysteries Book 2) (English Edition)

 

 

『Body In The Snow』 by Emma Lee

シリーズ名:Snow Ridge Mystery #2

 

 その男が殺された事件は、すぐにでも解決するように思われた。ところが、とある有力な女性政治家が乗りこんできて、男の妻を容疑者として引き渡すよう求めたところから、事件は意外な方向に進みはじめる。

 しかしボニー・メイベリーは、この政治家が偽物ではないかという疑いを持つようになった。というか、この女は人殺しであるだけでなく、世界征服を企んでいるのでは?

 

 130ページ程度の中編シリーズ。主人公のボニーはミステリー作家。つらい離婚を経験して知り合いのいない田舎に引っ越してくるのはコージーの王道ですね。短くて安くて(Kindle版で¥111!)さらりと読める、Goodreadsでの評判も上々、ということで洋書初心者にもおすすめです。

 

期待度:★★★★

 

 

Mistletoe Murder (Dewberry Farm Mysteries Book 4) (English Edition)

Mistletoe Murder (Dewberry Farm Mysteries Book 4) (English Edition)

 

 

『Mistletoe Murder』 by Karen MacInerney

シリーズ名:Dewberry Farm Mystery #4

 

 クリスマスが近づいたある日、背中を刺されて死んだ男の髪にはヤドリギの枝が絡まっていた。保安官は妻の犯行と断定するが、ルーシーには納得がいかない。調べはじめると出てくる出てくる……被害者の私生活はツリーを飾る電飾コードよりこんがらがっていた。これじゃ、いつ次の犠牲者がでてもおかしくない!

 

 〈朝食のおいしいB&B〉シリーズのカレン・マキナニーによる新しいシリーズも早4作目。主人公ルーシー・レズニックは記者稼業を引退し、祖母の農園をついで畑仕事や家畜の世話にいそしんでいる。獣医の恋人とのやりとりも微笑ましいですよ。

 

期待度:★★★★

 

 

Comic Sans Murder (A Dangerous Type Mystery)

Comic Sans Murder (A Dangerous Type Mystery)

 

 

『Comic Sans Murder』 by Paige Shelton

シリーズ名:Dangerous Type Mystery #3

 

 祖父チェスターといっしょにやっているタイプライターや古書の修復を専門とする店に、そのタイプライターを使って新作を書いてもらうために売れっ子ホラー作家を招いたクレア・ヘンリー。ところがクレアの高校の同級生が死体となって見つかると、ホラー作家の探求心に火がついてしまい、クレアとその友人で警官のジョディの捜査にまで首を突っこんでくる始末。作家に続きを書いてもらうには、はやく解決するしかない!

 

 パウダースノーが自慢のスキーリゾート、スターシティには古き良き時代のカワイイものをあつかう店が並んでいる。その1つ、〈レスキュード・ワード〉を舞台にしたシリーズ。

 

期待度:★★★

 

 

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気になる新刊 ~2017年11月(その2)~

今回はいつもと一味違うラインナップになってますよ。

 

Murder in the Manuscript Room: A 42nd Street Library Mystery (The 42nd Street Library Mysteries)

Murder in the Manuscript Room: A 42nd Street Library Mystery (The 42nd Street Library Mysteries)

 

 

『Murder in the Manuscript Room』 by Con Lehane

シリーズ名:42nd Street Library Mystery #2

 

 ニューヨーク公共図書館で犯罪小説担当のキュレーターを務めるレイモンド・アンブラーが、若い女性スタッフの一人が殺された事件にひとかたならぬ関心を寄せることになったのは、「友達以上」と思っているアデル・モーガンがなんらかの関係があると思われたからだ。

 ところが、事件の担当は、NY市警殺人課から諜報部門に引きつがれた。諜報部が出てくるということは、アデルがこのところ興味津々のあのイスラム学者と何か関係が……?

 

 マンハッタンの五番街と42丁目の角にあるニューヨーク公共図書館が舞台になったシリーズ2作目。コージーには珍しい男性作家で、舞台も都会のド真ん中。しかも観光スポットでもある中央図書館の裏側が垣間見えるかも? と期待してみたり。

 

期待度:★★★

 

 

Mrs Pargeter's Public Relations (A Mrs Pargeter Mystery)

Mrs Pargeter's Public Relations (A Mrs Pargeter Mystery)

 

 

『Mrs Pargeter’s Public Relations』 by Simon Brett

シリーズ名:Mrs Pargeter #8

 

 ミセス・パージェターがノラ猫たちの里親探しをするチャリティイベントに協力することになったのは、動物が好きだからというよりも、根っからの気前のよさからそうなったといったほうが当たっている。

 そのイベントで、亡き夫の妹を名乗る女に出会ってびっくり仰天したミセス・P。思いがけない出会いから過去の秘密を掘りかえすことになり・・・。

 

ハヤカワ・ポケットミステリで90年前後に数冊翻訳されたシリーズ。あちらでも98年の6作目以降しばらく新刊が出ていませんでしたが、2015年に復活。翻訳のほうも復活を、ぜひ!

 

期待度:★★★

 

 

Death Comes to the School (A Kurland St. Mary Mystery)

Death Comes to the School (A Kurland St. Mary Mystery)

 

 

『Death Coms to the School』 by Catherine Lloyd

シリーズ名:Kurland St. Mary Mystery #5

 

 結婚から3年、ロバート・カーランド少佐とルーシーは、二人の間に溝を感じはじめていた。ところが、ルーシーが魔女だと告発する匿名の手紙が舞いこんだことで小さな村は大騒ぎに。そんなおりに、村の学校で先生をしているミス・ブルームフィールドが教室で殺されているのが見つかり、匿名の手紙の主ではないかという疑いも出てきた。

 ルーシーは代用教員が来るまで学校の手伝いを買って出るが、子供たちからなにかヒントが見つかるのか?

 

ビクトリア時代より前、摂政時代(19世紀初頭)を舞台にしたヒストリカルコージー・ミステリワーテルローの戦いで負ったケガの治療のために故郷に帰ってきたカーランド少佐と、幼なじみで教区牧師の娘ルーシー・ハリントンが小さな村の難事件を解決するシリーズ。

 

期待度:★★★

 

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気になる新刊 ~2017年11月(その1)~

 

A Late Frost (An Orchard Mystery)

A Late Frost (An Orchard Mystery)

 

 

『A Late Frost』 by Sheila Connolly

シリーズ名:Orchard Mystery #11

 

 マサチューセッツ州の静かな田舎町グランフォードは、冬になるとよりいっそう静かになってしまう。しかし、町に引っ越してきたばかりでなんとかとけこもうと奮闘するモニカ・ホイットマンの発案で、観光客を呼びこむべくウィンターフェアを開催することになり、果樹園を経営するメグも自慢のリンゴを出品することにした。

 ところが、イベント終了後にモニカが食中毒と思われた症状で死んでしまった。出品された食品を徹底的に調べてもあやしいものはなく、モニカは殺されたのではないかという疑いが持ちあがる。

 

 遺産相続で植民地時代風の大きな家とリンゴ農園を受けついだメグ・コーリーを主役にしたシリーズの11作目。2008年にスタートして以来、コンスタントに発表されているところからも、しっかりファンがついてきているようですね。毎回のレシピも楽しみです。

 

期待度:★★★★

 

 

 

Death in the Stacks (A Library Lover's Mystery)

Death in the Stacks (A Library Lover's Mystery)

 

 

『Death in the Stacks』 by Jenn McKinlay

シリーズ名:Library Lover’s Mystery #8

 

 ブライアクリーク図書館の館長リンジー・ノリスは、資金集めのための食事会の準備に忙しかった。それなのに、図書館委員会の委員長のほうはじゃまするのに忙しいという……。委員長のオリーブが、新たに職員になったばかりのポーラを侮辱するのを見たリンジーはオリーブを解任するが、食事会の後にオリーブが死んでいるのが見つかった。真っ先に疑われたポーラを信じたリンジーは真犯人を見つけようと奮闘する。

 

 ランダムハウスから出ていた〈カップケーキ探偵〉シリーズの作者による、図書館を舞台にしたこちらも順調に新作が続いているシリーズ。といっても、本に関する蘊蓄は少なめ。むしろ、図書館という場がたんに貸本屋ではなくその町のカルチャーの中心になっていることで、バラエティにとんだ事件につながっているかも。

 

期待度:★★★★

 

 

A Fatal Collection (A Keepsake Cove Mystery)

A Fatal Collection (A Keepsake Cove Mystery)

 

 

『A Fatal Collection』 by Mary Ellen Hughes

シリーズ名:Keepsake Cove Mystery #1

 

 長らく連絡をとりあっていなかった叔母のもとを訪ねたキャリー・リードだったが、これから溝を埋めていこうという矢先に、叔母が急死してしまう。叔母は経営するオルゴールショップで夜中に何をしていたのか? いたって健康で丈夫だった叔母が事故死とされたことに不信をいだいたキャリーは、オルゴールがヒントになることに気づく。

 叔母の店を買い取りたがっていた隣の店のオーナーの言動や、叔母が依頼するつもりでいた会計監査のことなど、調べるほどに叔母は殺されたとしか思えなくなってきて……。

 

 メリーランド州の海岸にある、土産店が立ち並ぶその名もキープセイク(思い出の品、記念の品という意味)・コーヴを舞台にしたシリーズがスタート。メインはこのオルゴールショップだけど、ほかにもいろんな〝コレクティブル″なお店が並んでいる街並み、って想像するだけで楽しそう。

 

期待度:★★★★

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気になる新刊 ~2017年10月(その2)~

 

Mrs. Jeffries and the Three Wise Women (A Victorian Mystery)

Mrs. Jeffries and the Three Wise Women (A Victorian Mystery)

 

 

『Mrs. Jeffries and the Three Wise Women』 by Emily Brightwell

シリーズ名:Mrs. Jeffries #36

カテゴリ:家政婦、ビクトリアン

 

 アッパー・エドモントンの住人たちにとってはホリデーシーズンもいろんな意味で忙しい。ガイ・フォークス・ナイトを祝うパーティー席上でほかのゲストたちを侮辱したクリストファー・ギラニーが、祭りの花火の騒ぎに紛れて撃ち殺された。はじめは強盗のしわざと思われたものの、難航する捜査の指揮をまかされたのが、ほかでもないウィザースプーン警部補だ。クリスマス休暇を台無しにしてはたいへん、と今回もみんなの力を合わせます。

 

東京創元社の〈家政婦は名探偵〉シリーズ、あちらではもう36冊目ですってよ!(笑)

ぜひとも翻訳のほうも次々と出していただきたいものです。テレビシリーズの『ダウントンアビー』や、〈貧乏お嬢さま〉シリーズとはまた違う階級の人たちの暮らしぶりも興味深い、楽しいシリーズですものね。

 

期待度:★★★

 

 

The Quiche and the Dead (A Pie Town Mystery)

The Quiche and the Dead (A Pie Town Mystery)

 

 

『The Quiche and the Dead』 by Kirsten Weiss

シリーズ名:Pie Town Mystery #1

カテゴリ:パイショップ、レシピ付き

 

 婚約者とともにカリフォルニアの小さな町で新たな人生を歩み始めるはずだったヴァレンタイン・ハリスだが、わずか5か月で婚約者は去ってしまった。それでも、少なくともパイショップを開くという夢だけは叶えたわけだが、ある日、店内でパイを食べた常連客が突然死! 死因が毒殺だというので疑われたヴァレンタインと助手のシャーリーンは……。

 

 Kirsten Weissはファンタジー~スピリチュアルよりのミステリーをたくさん書いている作家。でもこのシリーズはそういう超常現象的な要素はないみたいで、ごく普通のコージーっぽいです。

 主人公のヴァルことヴァレンタインはまだ若いようですが、パイ生地担当のシャーリーンはなんと70代! 親子というより孫娘とおばあちゃんみたいな二人がどんな探偵コンビになるのか、気になります!

 

期待度:★★★★

 

 

The Secret, Book & Scone Society

The Secret, Book & Scone Society

 

 

『The Secret, Book & Scone Society』 by Ellery Adams

シリーズ名:Secret, Book & Scone Society #1

カテゴリ:書店、リゾート地

 

 ミラクル・スプリングスに集まる観光客が求めているのは、天然温泉や五つ星レストラン、有名スパリゾートで疲れをいやすこと。もしもそのどれもがうまく効いてくれなかったら――〈ミラクル・ブックス〉へどうぞ。ベーカリー直送の特製スコーンといっしょに本の話をすれば、店主のノラがあなたにぴったりの本を勧めてくれます。

 ところが、そんな客のひとりが予約時間をまえに事故死をとげると、ノラは自助グループ〈秘密と本とスコーンと〉のメンバーに呼びかけ、真相解明にむかって動き出す。

 

『文学効能辞典』を地で行くような書店が舞台。〈秘密と本とスコーンと〉のメンバーはみんな、かつて心に傷を負い、それぞれの暗い秘密を分かち合った仲間たち。犯人捜しで協力するうちに信頼や自信を取り戻していく。失意と再生の物語でもあるようで、女同士の友情の危うさと心強さが味わえそう。

 町の名前も店の名前もミラクルとついているように、どうやらこのスコーンにはミラクルなトッピングがしてあるみたいですよ……。

 

期待度:★★★★

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気になる新刊 ~2017年10月(その1)~

 

The Witches' Tree: An Agatha Raisin Mystery (Agatha Raisin Mysteries)

The Witches' Tree: An Agatha Raisin Mystery (Agatha Raisin Mysteries)

 

 『The Witches’ Tree』 by M. C. Beaton

シリーズ名:Agatha Raisin Mystery #28

カテゴリ:

 コッツウォルズ住民は天候不順には慣れているとはいえ、着任まもない教区牧師夫妻がサンプトン・ハーコートでのディナーパーティーから帰る道はことのほか霧が深かった。目を凝らしながら運転していると、村はずれでいきなり目の前に現れたのは、節くれだった木の枝からぶら下がった死体! 独身老女が殺されて村中が騒然となる中、不謹慎にも心が浮き立つアガサ。しかし魔女集団がいるという村では情報も集まりにくく、アガサは身の危険を感じるように……。

 

翻訳も順調に9作目まできた人気シリーズ、アガサ・レーズンの28作目(!)。本国ではドラマ化もされていますが、日本ではまだみられないんでしょうか(涙)。

 

期待度:★★★★

 

 

Baker’s Deadly Dozen (A Fresh-Baked Mystery Book 13) (English Edition)

Baker’s Deadly Dozen (A Fresh-Baked Mystery Book 13) (English Edition)

 

『Baker’s Deadly Dozen』 by Livia J. Washburn

シリーズ名:Fresh-Baked Mystery #13

カテゴリ:料理、下宿屋、

 友人のかわりに代替教員を務めることになったリディアとサムは、学校という現場の変わりように目を丸くしつつ、懐かしさも感じていた。朝早く起きて学校に行き、生徒たちやほかの先生たちとかかわり、課外活動の手伝いをするのは楽しいが、まさか課外活動中に死体を発見するとは想定外だった。

 〈13日の金曜日〉ダンスパーティのさなかの事件で犯人と疑われたのは生徒のひとり。その少年に恋しているサムの孫娘はもちろん、フィリスもまた彼が犯人とは考えられない。

 

 ランダムハウスからヴィレッジブックスに移って続くかと思いきや翻訳がストップしている「お料理名人の事件簿」シリーズ。毎回おいしそうなお料理も満載なのに、売れないのかなぁ・・・(号泣)。

 

期待度:★★★★

 

 

Death Overdue: A Haunted Library Mystery

Death Overdue: A Haunted Library Mystery

 

 『Death Overdue』 by Allison Brook

シリーズ名:Haunted Library Mystery #1

カテゴリ:図書館、幽霊

 クローバーリッジなんて田舎町には見切りをつけたはずのキャリー・シングルトンが図書館で開かれるイベントの責任者に抜擢されて驚いたのは、そこに司書の幽霊がいたこと。しかも、最初に取り掛かることになったイベントというのが、引退した元殺人課刑事アル・バックレイが依頼してきたもので、15年前に殺された図書館臨時職員ローラ・フォスターの事件を洗いなおしてほしいというのだ。ところがそのバックレイも、イベント参加者の目のまえで毒殺されてしまう。責任を感じて過去の事件を探りだすキャリーの味方は、なんでも知ってる司書の幽霊だ。

 

 殺人事件の捜査に幽霊がかかわってくる話は、どうしてもズルしてるみたいでミステリとしてどうかと思ってはいるのだけど、コージーに登場する幽霊はたいていフレンドリーでユーモラスに描かれるから、翻訳されるチャンスもあるかな? 図書館という設定も本好きならいろんな「あるある」を楽しめるのではないかと期待してます。

 

期待度:★★★

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