つぎはコレ読みたい ~コージーミステリ三昧~

果てしない積読山脈をじりじりと登攀中。さらに山を高くするべく(?)新刊の中から自分が読みたい本、みんなに読んでほしい本を紹介しています。ミステリ全般、コージーミステリ、SF&ファンタジーを中心に。

気になる新刊 ~2020年2月~

 

Here Comes the Body (A Catering Hall Mystery Book 1) (English Edition)

Here Comes the Body (A Catering Hall Mystery Book 1) (English Edition)

  • 作者:Maria DiRico
  • 出版社/メーカー: Kensington Books
  • 発売日: 2020/02/25
  • メディア: Kindle
 

 

『Here Comes the Body』 by  Maria DiRico

シリーズ:Catering Hall Mystery #1

カテゴリ:コージーミステリ

 

 浮気夫のボート事故で晴れて独り身になったミア・カリーナは、生まれ育ったニューヨークに帰ってきた。いまは祖母と同居し、クイーンズでケータリングホール〈ベル・ビュー〉を営む父といっしょに結婚披露宴や会社のパーティにせっせと料理を出している。

 その日、ミアが企画したバチェラー・パーティは大成功に思えたが――巨大なケーキからジャジャーンと飛びだすはずの美女が出てこない! だって彼女は死んでたから!

 実は裏社会ともつながってるせいで、警察はまっさきにミアの父を疑う。しかも被害者とはかつてひと悶着あったというからますます怪しまれ……。

 

 また新たなお料理コージーが登場。今回はイタリアンのケータリング業者ということで、ついてくるレシピも楽しみです。そして場所も田舎町ではなく大都会ニューヨーク! やっぱり華のあるロケーションてウキウキするわねぇ。とはいえラ・ガーディア空港に近い〈ベル・ビュー〉では、ときおり上空をかすめていく飛行機のせいでシャンデリアが揺れるとか(笑)意外にオンボロ物件? 裏社会とつながってるお父さんも一筋縄ではいかなそうなキャラだし、そうなるとおばあちゃんだってタダモノではないはず。ドアストップという名前の巨大猫もいるというから、これはもう期待するしかないですよ。

 

 

 

Blood Will Be Born: The explosive Belfast-set crime debut (DI Owen Sheen Book 1) (English Edition)

Blood Will Be Born: The explosive Belfast-set crime debut (DI Owen Sheen Book 1) (English Edition)

  • 作者:Gary Donnelly
  • 出版社/メーカー: Allison & Busby
  • 発売日: 2020/02/20
  • メディア: Kindle
 

 

『Blood Will Be Born』 by  Gary Donnelly

シリーズ:DI Owen Sheen #1

カテゴリ:サスペンス

 

 二度と帰るものかと誓った故郷アイルランドに戻ってきたオーウェン・シーン警部。ロンドン警視庁から北アイルランド警察に出向した彼は、何年も前に死んだ兄をめぐる疑問への答えを探りつつ、新任刑事イーファ・マカスカーとコンビを組んで彼女の初めての殺人事件解決を目指す。

 兄の死に関わっていたと思われるIR Aの元戦闘員ジョン・フライヤーが入院させられていた精神病院を脱走したと聞いたシーン警部は追跡を始めるが……。

 

 見方によっては現在も続いているとされる北アイルランド紛争を背景に、現在の事件と過去の謎解きが絡まりあう、と聞いただけでも重厚な雰囲気が感じられます。エイドリアン・マッキンティも絶賛。

 

 

 

The Unspoken Name (The Serpent Gates Book 1) (English Edition)

The Unspoken Name (The Serpent Gates Book 1) (English Edition)

  • 作者:A. K. Larkwood
  • 出版社/メーカー: Tor Books
  • 発売日: 2020/02/11
  • メディア: Kindle
 

 

『The Unspoken Name』 by  A.K. Larkwood

シリーズ:The Serpent Gates #1

カテゴリ:ファンタジー

 

 自分がいつどのように死ぬかを知っている、ってどんな感じ?

 ソルウェはそれがどんな感じか知っている。まもなく山の上の「語られぬ者」の神殿に参内し栄養ある称号を授かることになっているのだから――生贄という称号を。

 ところがまさにその日、強大なる魔法使いに導かれて、ソルウェは自らの運命と神に背を向け、彼の右腕となる道を歩みだす。だがそれは帝国に逆らい、魔法使いが力を取りもどすために物や情報を盗みだし、密かに命を奪う道だった。

 

 いたって正統的な「剣と魔法」のハイファンタジー。さまざまなお約束を踏襲しながらどれほどオリジナルな世界が作られたのか、が興味深いところ。

 

このほかにも、今月は

レスリー・メイヤーの〈ルーシー・ストーン〉シリーズ27作目、

ジョアン・フルークの〈お菓子探偵ハンナ〉シリーズ25作目、

ジェシカ・ベックの〈ドーナツ事件簿〉シリーズ45作目、

などなど、邦訳のあるシリーズの新作も盛りだくさん! ぜひ続きを! 日本語で!

 

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気になる新刊 ~2020年1月~

 

Careless Whiskers (Cat in the Stacks Mystery Book 12) (English Edition)

Careless Whiskers (Cat in the Stacks Mystery Book 12) (English Edition)

  • 作者:Miranda James
  • 出版社/メーカー: Berkley
  • 発売日: 2020/01/21
  • メディア: Kindle
 

 

『Careless Whiskers』 by Miranda James

シリーズ:Cat in the Stacks #12

カテゴリ:コージーミステリ

 

 大学図書館のアーカイヴィスト、チャーリー・ハリスはもう二度と殺人事件の捜査にはかかわるまいと誓った。そんなことより、勤務先の大学の演劇学科が上演する、地元にゆかりのある新人脚本家による芝居で娘のローラが主演するのを応援するほうが楽しみ。しかも演出するのはローラの夫フランクなのだ。

 ところが、ローラがハリウッドにいたころから知っている俳優ルーク・ロンバルディがゲスト出演することが判明する。彼はなにかと高圧的な態度をとる男で、乗りこんできてそうそうに周囲に嫌われる。そんな彼が舞台上でローラが手渡した飲み物を飲んで死んでしまうと、ローラが真っ先に疑われることになった。

 愛する娘のためならば誓いなどなかったも同然、犯人にスポットライトを当ててやるのだ!

 

 このシリーズの1作目、Murder Past Dueはたしかどこかに持込みしたことがあったはずなのだけど、アピール力不足でボツになったのよねぇ。ほんとにこれが翻訳されないのはもったいないと思うのだけど。図書館だし猫だしイケオジ(笑)だし。

 とにかく巨大なメインクーンディーゼルはいかにも猫らしい猫で、事件の捜査に役立つことはまずないんだけど、人の気持ちの変化に敏感で、いつも励ましたりそっと寄り添ってくれたりするのがなんとも癒されるのです。都合よすぎ、ってくらいに情報源をもってる同僚とか、老いらくの恋(?)とか、コージーらしさ全開なとこも大好き。

 

 

 

 

『The House on the Lake』 by  Nuala Ellwood

シリーズ:ノンシリーズ

カテゴリ:スリラー

 

 リサは支配欲の強い夫の前から姿を消す必要があった。友人のグレイスがヨークシャーに持っている古くてだだっ広い家ならぴったりだと思った。いちばん近い町まで何マイルもあるし、そんなところにリサと息子のジョーが隠れてるなんて誰にもわからないのだから。ところが、村の女性が訪ねてきたことから、ここも思ったほど安全ではないのかもしれない。

 グレイスは秘密の使命を果たすため、父から戦い方を叩きこまれて育った。この家にふたりきりで暮らし、地元の人々を信用せず、彼らと交流もしなかった。

 グレイスは、そしてこの家は、いったいどんな秘密を隠し続けてきたのか。過去に追いつかれそうになったリサは、どうすれば生き延びることができるのか。

 

 なにかと妻の行動をしばりたがるモラハラ夫から、子供を連れてどう逃げ切るか、というのは日本でも他人事じゃないくらい問題になってますが。公的な支援にたどりつければいいけれど(それもあてにならないこともあるけど)、親族や友人知人が力になってくれるなら心強く思うよね。でも頼みのその友人がワケアリだったら……?

 現在と過去を行き来しながら進むストーリーは最近はやり? ていうか最近そればっかりな気がするような。それだけ解決に時間が必要な複雑な事件を描いているということなのだろうけど。

 

 

The Frost Eater (The Magic Eaters Trilogy Book 1) (English Edition)

The Frost Eater (The Magic Eaters Trilogy Book 1) (English Edition)

 

 

『The Frost Eater』 by Carol Beth Anderson

シリーズ:The Magic Eaters Trilogy #1

カテゴリ:ファンタジー

 

 17才のプリンセス・ノラは冷気を食べて魔法の氷をつくる。暮らしぶりは贅沢だが息が詰まりそうだ。

 クレイ・ウェストには珍しい魔法の才能があった。羽根を食べると空を飛べるのだ。彼は行方が知れなくなった恋人ゼイシャを見つけようとしている。権力者にさらわれたと考えている。クレイはその魔法の力のおかげで宮殿に招かれる。冒険と友情を求めるノラはゼイシャ探しに協力を申しでる。クレイは君主制には不服だが、ゼイシャのために受け入れる。

 だが彼らが想像もしなかった真実が明らかになる。

 ゼイシャは暗闇の中で目覚め、明るい時の記憶は忘れている。彼女の見る夢は過去の光景を垣間見せる。ノラとクレイが助けだせなければ、ゼイシャは自分を見失ってしまうだろう。

 

 魔法があり、ドラゴンがいる世界で少年少女が助け合って大切な人を救出する、なんてベタと言えばベタだけど、だからこそ読者モニターがみな高評価をつけてる理由が知りたくなる。これ以前にSun-Blessed Trilogyという3部作を出していて、これも数は少ないながらとても高く評価されているので、ハマる人にはハマるたぐいのスタイルを持った作家さんかも。

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気になる新刊 ~2019年12月~

 

 

Nine Elms (Kate Marshall Book 1) (English Edition)

Nine Elms (Kate Marshall Book 1) (English Edition)

  • 作者:Robert Bryndza
  • 出版社/メーカー: Thomas & Mercer
  • 発売日: 2019/12/01
  • メディア: Kindle
 

 

『Nine Elms』 by  Robert Bryndza

シリーズ名:Kate Marshall #1

カテゴリ: スリラー

 

 悪名高きシリアルキラー〈ナイン・エルムズ〉を逮捕したことでケイト・マーシャル刑事は将来を嘱望された。だがそれは悪夢の始まりでもあった。あまりにショッキングな事件の様相のためにいわれのない誹謗中傷にさらされたのだ。それから15年経ってもまだ、ケイトは過去の亡霊に悩まされている。

 海辺にある大学で講師となったケイトは、ナイン・エルムズをまねた事件が起きたことを知ると、研究助手トリスタンの協力を得て脅威の捜査能力をふたたび発揮する。しかし、ナイン・エルムズの次の標的として狙われていたケイトを、模倣犯もつけねらう。

 

 スロバキア在住のイギリス人作家。2016年から矢継ぎ早に発表したErika Fosterシリーズが世界的に大ヒットしたらしいが日本では未訳。こちらも気になるところ。

 ケイト・マーシャルはこれから私立探偵としてシリーズ化。GoodreadsでUntitledながら表示のある3作目までは契約できてるということかも。ハードボイルド系女性探偵の日本での需要はどうかしら?

 

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Murder on Cape Cod (Cozy Capers Book Group Mystery 1) (English Edition)

Murder on Cape Cod (Cozy Capers Book Group Mystery 1) (English Edition)

  • 作者:Maddie Day
  • 出版社/メーカー: Kensington
  • 発売日: 2019/12/31
  • メディア: Kindle
 

 

『Murder on Cape Cod』 by  Maddie Day

シリーズ名: Cozy Capers Book Group #1

カテゴリ: コージーミステリ

 

 マッケンジー(マック)・アルメイダの自転車屋は夏こそ書き入れどき。海辺の町では観光客がサイクリングを楽しむからだ。ところが便利屋ジェイクの死体を発見してしまい、数時間まえに彼と言い争っているのを目撃されていたマックは第一容疑者に。もちろんマックはやっていないのだが、凶器には見覚えがあった。兄デリックのフィッシングナイフだ。

 殺人事件の捜査なんて、自分が主催するブッククラブで読んだミステリ小説くらいしかないけれど、自分と兄の汚名をすすぐため、図書館で調べた探偵術を頼りにブッククラブのメンバーといっしょに事件解決に挑む!

 

 アガサ賞ノミネート作もあるEdith Maxwellの別名義。シロウトの出番じゃないところにのこのこ出ていくのがコージーの王道(笑)なので、そういうものだと思って楽しむべきシリーズがまたひとつ。風光明媚な海辺の町もそこら中にあふれてる感のあるコージー界隈ですが、本業がレンタサイクル屋さんは初めて見たかも? この本業がシリーズの中でどう活きてくるのか、ブッククラブのメンバーはどれだけ個性派ぞろいか、あたりが楽しみ。

 

 

 

Hollow Empire: A Poison War Novel (The Poison Wars Book 2) (English Edition)

Hollow Empire: A Poison War Novel (The Poison Wars Book 2) (English Edition)

  • 作者:Sam Hawke
  • 出版社/メーカー: Tor Books
  • 発売日: 2020/12/01
  • メディア: Kindle
 

 

Hollow Empire』 by  Sam Hawke

シリーズ名:Poison Wars #2

カテゴリ:ファンタジー

 

 都市国家シラスタで統治者とその毒見役が殺され、次代の統治者タインとその親友にして同じく毒見役を受けついだジョヴァン、ジョヴァンの姉カリナは反乱軍による激しい攻撃をかいくぐって国家存続をはかる。国が乱れたことで目を覚ました古代の精霊たちは怒り狂っていた。魔法使いと暗殺者が勢力を広げ支配者の地位をねらう新しい世界で、シラスタはどうやって存続を図るのか。

 

 情報が少ない……(涙)。毒見師といえば『毒見師イレーナ』シリーズがありますが、こちらは姉弟で国家の危機に立ち向かいます。シリーズ1作目のCity of Liesでオーストラリアの文学賞(フィクション、ファンタジー部門など)をいくつも受賞した期待の新人による続編。

 紹介文はほとんど1作目とおなじで、未読の身にはなにがどう進展してるのかさっぱりなんだけど(汗)、1作目が面白そう!と思ったシリーズの続巻がもう出ちゃうよ、ということで。

 

(追記)と思ったらなんと! 発売が延びたようです。先月末にリストで見つけたときは2019Dec.だったのに。

 

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気になる新刊 ~2019年11月~

すっかり遅くなりましたが11月発売分ですよ!

 

Woman in the Water: The gripping twisty new thriller from the Sunday Times bestseller (English Edition)
 

 

 

『Woman in the Water』 by  Katerina Diamond

シリーズ名:DS Imogen Grey #6

カテゴリ: サスペンススリラー

 

 わたしは生きてる……。でも助けてはもらえない。

 冷たい川底に沈んでいる女性を発見した警察は、彼女が生きていることに驚愕した。ところが、彼女は自分の名前も、何があったのかも、ひとつとして話そうとせず、血液やDNAサンプルの提出さえ拒む。虐待を受けていたのは明らかなのだが……。そして次の犠牲者が見つかると、彼女は病院のベッドから姿を消した。

 たったひとつの手がかりを追ってリース・コリガン宅を訪れた警官コンビ、エイドリアンとイモジェンはリースの妻アンジェラを見たとたん、川で見つかったあの女性だとわかった。ただし、体じゅうの傷跡をていねいに隠している。

 夫妻のことを知れば知るほど、彼らのことがわからなくなっていく。彼女はどんなわけがあって救いを拒絶するのか。しかし捜査が進むほどに、エイドリアン部長刑事の家族とのかかわりが浮かびあがってくる。

 

 ギリシャ育ちで英国在住の作家。シリーズ名は部長刑事イモジェン・グレイを前に出してはいるものの、中身はエイドリアン・マイルズとのバディものと言えそう。2016年のデビューから、いまのところデヴォン州を舞台にしたこのシリーズのみ次々と発表している。

 

 

 

 

『Holiday Roast Mortem』 by  Tonya Kappes

シリーズ名: Killer Coffee #7

カテゴリ: コージーミステリ

 

 クリスマスが近づくなか、ロキシーは〈ザ・ビーン・ハイヴ〉で家族と友人だけのディナーパーティーを計画中。忙しいあいまを縫ってパトリックがレストランディナーに誘い出してくれたのはよかったが、となりのテーブルのカップルが終始ケンカしてるとなると雰囲気も台無し。それでも帰り道にそのカップルの車が湖に突っこんだのを見ては放っておけず救助に向かうも、男性のほうはすでに死んでいた。

 検視の結果、死因は事故ではなく、その妻が容疑者となる。ところが裁判ではロキシーの元夫が死んだ男性の弁護人を引き受けることになり、妻が隠していた情報がもれてくると、彼女はロキシーを利用して逃げ切るつもりらしい……。

 

 湖に面した小さな町ハニースプリングスで唯一のコーヒーハウス〈ザ・ビーン・ハイヴ〉を経営するロキシー・ブルームは元弁護士。設定もキャスティングもいかにもコージーらしい、ゆる~く楽しめるシットコムミステリー。

 いくつものシリーズが快調に巻を重ね、Camper & Criminalsシリーズは映画化のオプションが成立したもよう。

 

 

 

Legacy of Ash (The Legacy Trilogy) (English Edition)

Legacy of Ash (The Legacy Trilogy) (English Edition)

 

 

『Legacy of Ash』 by  Matthew Ward

シリーズ名:Legacy Trilogy #1

カテゴリ:ファンタジー

 

 トレシアン共和国は崩壊の危機にあった。ハダリ帝国の軍隊が国境に迫ってきているというのに、共和国の支配層は己の野望に囚われて互いを陥れようとするばかり。そんななかからも英雄はあらわれる。

 ヴィクトール・アカドラは偉大なる戦士だが、公になれば異端の誹りを逃れえない秘密を隠しもっている。ヴィクトールが火あぶりになるなら、ジョシリ・トレランは大歓迎することだろう。ジョシリが新たな反乱を企てるいっぽう、彼の妹カレンは家族のしがらみから逃れようとする。

 それぞれの想いをべつにして、共和国を救うために3人は協力しなければならない。勝利を手にするには想像を超えた対価が必要だ。

 

 ボードゲームウォーハンマー40000』で知られるGames Workshopでプリンシパル・アーキテクトをしていたとう作者は、古い場所――城、古都、ロンドンの地下――が大好きだそうで、初めてのファンタジー小説という本作でどんな描写をしてくれるのかが楽しみ。

 

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気になる新刊 ~2019年10月~

 

Don't Forget Me (Levi Kant Book 1) (English Edition)

Don't Forget Me (Levi Kant Book 1) (English Edition)

 

 

『Don’t Forget Me』 by  B.C. Schiller  trans by Annette Charpentier

シリーズ名:Levi Kant #1

カテゴリ: スリラー

 

 精神科医オリヴィア・ホフマンの夫と娘が失踪してから5年が過ぎた。ウィーン郊外の採石場で十代の少女リサ・マンツの死体が見つかったのも、同じく5年前だった。あれ以来、夫と娘が失踪した日になると、オリヴィアのもとに差出人不明のハガキが届くようになった。誰がなぜ、遺憾のメッセージを送ってくるのか。

 オリヴィアは担当する患者のひとりから、生きているリサを目撃したと聞かされたことをきっかけに、当時捜査に当たったレイヴィ・カーント刑事とともに調査を始める。リサがまだ生きているなんてことがあるだろうか? オリヴィアの愛する家族の失踪と何か関係があるのか?

 だが動き出したとたん、ふたりは命を狙われるようになる。

 

 

*ドイツ語からの翻訳。

 B.C. Schillerはオーストリアの作家で、カップルで書くときのペンネーム。自主レーベル出版のスリラー作家としてはそこそこ人気はあるようだけど、英訳にこぎつけた経緯までは不明。英語版もアマゾンのセルフパブリッシングの一部門からの発売。

 あらすじだけで見るとざっくり言って身代わり殺人的なストーリーかな? シリーズとしてはカーント刑事が主人公のはずなので、警察ものとして今後どのような題材がでてくるかは楽しみ。

 

  

Advertisement for Murder (A St. Ives Book Club Mystery 1) (English Edition)

Advertisement for Murder (A St. Ives Book Club Mystery 1) (English Edition)

 

 

『Advertisement for Murder』 by  Nadine Doolittle

シリーズ名: St. Ives Book Club #1

カテゴリ: ミステリー

 

 1975年、廃墟となった聖アイヴス修道院の裏手で、当時17才のジェニー・ブレイクの絞殺体が見つかった。犯人はまだ捕まっていない。

 それから44年――。ローカル新聞に載ったミステリー読書会のお知らせを見てエリオット・マークスの自宅に集まった7人のなかに、エイヴリー・ホームズもいた。ところが、本の中ではなく現実の殺人事件を解決するのはどうか、とエリオットが提案し、手始めにジェニー・ブレイクを殺した犯人を見つけようと言いだした。

 怪しいのはジェニーの元ボーイフレンドで今はアルコール依存でホームレスになっているジェシーか? それとも事件当時ジェニーと交際していた政治家ダンカンか? それともダンカンに捨てられたカレンはどうなのか。ジェニーの死を内心で喜んでいた図書館員アイダは無関係と言えるのか。エリオットとジェニーの関係は?

 小説を書くかたわら、のんびりした田舎暮らしを楽しむつもりでセント・アイヴスにやってきたエイヴリーにしてみれば、過去の殺人事件をほじくり返すなんて危険でしかないのだが……。

 

 過去に起きた未解決事件を掘りおこす、というとまるで『時効警察』ですが(笑)、エイヴリーとエリオット以外の読書会メンバーも元海軍将校から新米リポーターまでいろいろな経歴の人を集めたようで、肩の凝らない雰囲気が楽しめそう。

 

 

 

The Princess Beard: The Tales of Pell (The Tales of Pell Series Book 3) (English Edition)

The Princess Beard: The Tales of Pell (The Tales of Pell Series Book 3) (English Edition)

 

 

『The Princess Beard』 by  Kevin Hearne, Delilah Dawson

シリーズ名:Tales of Pell #3

カテゴリ:ファンタジー

 

 棘だらけのバラに囲まれた魔法の塔で、その姫は眠っていた。目覚めたときに待っていたのは王子様――ではなく、伸び放題に伸びた髪と爪だった。でもべつにがっかりしたわけじゃない。ていうか、同意もなしにキスしてくるようなキモ男よりずっといい。

 切りおとした髪を使って塔から逃げだした姫は、伸び放題のまま切らなかった髭を変装に活かし、海賊船に乗りこんだ。真実の愛――ではなく、ほんとうの自分を見つけるために。

 

 おとぎ話をとことんおちょくった、おふざけ満載のシリーズ第3作。〈ペル〉という世界を舞台に、おとぎ話の「あるある」を笑いのめすわけだが、有名どころの童話や民話をひととおり知っていないと、もしかして面白さは半分かも? 神話や伝説、宗教的背景などなど、教養が試されそうでちょっとコワい。でもだからこそのぞいてみたい。

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気になる新刊 ~2019年9月~

 

Nothing Important Happened Today (English Edition)

Nothing Important Happened Today (English Edition)

 

 

『Nothing Important Happened Today』 by  Will Carver

カテゴリ: スリラー

 

 ある夜、チェルシー橋に集まった9人。いっせいに橋から飛び降りた彼らはこれまで面識がなかったが、皆その日の朝に遺書を受け取っていた。書かれていたのはたったの一行、「今日、大事なことは何も起こらなかった」

 それは《ピープル・オブ・チョイス》のメンバーに選ばれた証だった。メンバーたちは誰も、自分以外に誰がそのカルト集団にいるのか知らない。

 ソーシャルメディアにあらわれたそのカルトのページは、4年間もなんの動きもなかったのに、突如として数千人がフォローしはじめた。警察は必死にメンバー同士のつながりを見つけようとするが、そもそもリーダーすら存在していないようなのだ。

 

 自殺を考えている人たちがネットを通じて知り合い、一緒に自殺を図るという事件は日本でもすでに何度かニュースになった。自分と同じ対象に興味をもつ人が身の回りにいない、という状況はネットの登場で劇的に変化し、仲間を見つけやすくなったのは良いことばかりではなかったわけだ。カルトの不気味さ、得体の知れなさも急速に忘れられつつある今こそ読むべき作品なのかもしれない。

 ゲラ版をふくめてGoodreadsでレビューを書いた11人全員が星5つ、というのもなんだか強烈。

 

 

 

Mrs. Jeffries and the Alms of the Angel (A Victorian Mystery Book 38) (English Edition)

Mrs. Jeffries and the Alms of the Angel (A Victorian Mystery Book 38) (English Edition)

 

 

『Mrs. Jeffries and the Alms of the Angel』 by  Emily Brightwell

シリーズ名: Victorian Mystery #38

カテゴリ: コージー

 

 マーガレット・スターリングは誰から見ても「殺されたりするはずがない」人だった。慈善団体や教会での活動にも熱心で、助けを求める人には惜しみなく手を差し伸べてきた彼女の死は、町の人々には大きな衝撃だった。

 時はおりしもクリスマス、ジェフリーズ夫人とウィザースプーン警部補は正義を行うことができるのか。

 

 コージーブックスから出ていた〈家政婦は名探偵〉シリーズ、なんと38作目! 翻訳は4冊で止まってしまっているようだけど、日本の読者は同じメンツ、同じ設定に飽きるのが早い? まあ、たしかにこのシリーズはジェフリーズ夫人を支える探偵団の人数が多くて、毎度おなじみ感が好きな人じゃないとマンネリと感じてしまうのかも。このウィザースプーン警部補ののほほんとしたお坊ちゃん感が好きなんだけどなぁ。

 

 

 

The Ten Thousand Doors of January (English Edition)

The Ten Thousand Doors of January (English Edition)

 

 

『The Ten Thousand Doors of January』 by Alix E. Harrow

カテゴリ:ファンタジー

 

 数々の風変わりな宝物がひしめく広大な屋敷に住む、裕福なロック氏の被後見人たるジャニュアリー・スカラーは彼女自身もまたたぐいまれなる存在であった。とはいえ、その他の宝物とは違い、彼女はしっかりと手入れされ、ほとんど無視されていて、なんとも場違いだと感じている。

 あるとき、彼女は不思議な本を見つける。どこかしら異世界の匂いがして、秘密の扉や冒険と危険に満ちあふれた物語がつづられている。どれも信じがたいような真実が語られているが、いつしかそれは彼女自身の身の上と重なっていく。

 

 ショーニン・マグワイア『不思議の国の少女たち』に近い感じのYA。環境としては恵まれていないわけではないのに、自分の居場所がない、ここではない、と感じている少女が本との出会いから新しい世界を見いだしていくストーリーは、焼き直しと言われようともどんどん世に出していってほしい。その時代にその年齢を生きている若年世代に届いてほしいから。

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気になる新刊 ~2019年8月~

 

And Then They Were Doomed: A Little Library Mystery (English Edition)

And Then They Were Doomed: A Little Library Mystery (English Edition)

 

 

『And Then They Were Doomed』 by  Elizabeth Kane Buzzelli

シリーズ名:Little Library Mystery #4

カテゴリ: コージーミステリ

 

 アガサ・クリスティー・シンポジウムに招待された10人の作家のひとり、ゾーイ・ゾラは、招待されたことを喜ぶどころかツイてないとさえ思っていた。ゾーイの他、クリスティー研究者である他の招待客たちが会場となるホテルに集まり、開会を祝した夕食会が始まるなり、意見の食い違いから激しい言い争いがおきる。なかでも険悪な雰囲気を出していた男性客のひとりが翌朝、行方をくらました。

 この名高い作品そっくりに、それからもひとり、またひとりと招待客が姿を消していく。ゾーイは帰ろうとするが車の故障で動けず、友人で司書であり素人探偵でもあるジェニー・ウェストンに助けを求めた。折からの嵐で足止めされたジェニーを待つあいだ、ゾーイが生き残るにはクリスティーに関するあらゆる知識を総動員するしかない!

 

 ジェニーとゾーイは隣人同士。母が運営する私設図書館で司書をしているジェニーと、小人症という特性をもつ作家のゾーイがチームで事件解決にあたるシリーズ。これまではジョイス・キャロルやエミリー・サットン、ジェーン・オースティンといった作家にちなんだ設定をしてきて、4作目の今回はアガサ・クリスティーがテーマ。

 クリスティーのファンはどこでも「孤島」に集まってひと騒ぎしたくなるものなのかしらねぇ。

 

 

 

 

『The Perfect Wife』 by  J.P. Delaney

シリーズ名: ノンシリーズ

カテゴリ: スリラー

 

 長い昏睡状態から目覚めたアビーは記憶を失っていた。夫だという男性はテクノロジー業界の大物で、シリコンバレー随一のスタートアップ企業の創業者のひとり。彼によると、アビーは才能あふれるアーティストであり、サーフィンが大好きで、妻としても母としても完璧な女性だった。5年前にひどい事故にあって昏睡に陥ったが、革新的な技術開発により意識をとりもどしたのだ、と。

 だが、結婚生活の記憶を少しずつたどるにつれ、夫の言うことに疑問を持ちはじめるアビー。ずっと一緒にいようという夫の言葉はどこまで信じられるのか。5年前、いったいどんな事故があったというのか。

 

 ハヤカワ・ポケミスから『カルニヴィア』三部作が出ているジョナサン・ホルトの別名義による作品。ディレイニー名義では3作目となる。カルニヴィアの評判も良いし、ディレイニー名義の『The Girl Before』もロン・ハワードの監督で映像化される(2017)など、期待できる要素は十分。

 

 

 

Utopia 58 (English Edition)

Utopia 58 (English Edition)

 

 

『Utopia 58』 by  Daniel Arenson

シリーズ名:ノンシリーズ

カテゴリ:ディストピア

 

 ユートピア58。それは北アメリカの崩壊後に創設された理想の地。人種も性別も、年齢も区別されない、完璧な調和を達成した真に平等な世界。ここでは、人はみな平等でなければならない

 美しすぎるならマスクをつける。背が高すぎるなら足を短くする。男/女らしすぎる? 大丈夫、医者がちゃんと直してくれる。頭が良すぎる? 余計な考えは頭の中に鳴り響くブザーがかき消してくれる。誰もが等しい。突出するものはいない。

 KB209が生まれたのはそんな理想郷だった。名前も与えられない。過去も未来もない。大勢のうちのひとりに過ぎない彼は、ほかのみんなとまったく同じだった。

 ある日、彼は活動家たちが集会をしているところで、そんな社会に反旗をひるがえす衝撃的な光景を目にする。「わたしたちは人とは違う。わたしたちは個人だ。私たちは自由になる!」

 

 平等という言葉の解釈は難しい。それぞれに凸凹のあるひとり一人に、同じものを同じだけ与えるのが平等だということもあれば、その凸凹を均すようにそれぞれ違うものを与えるのだ平等だという場合もあるだろう。同じ「平等」という言葉で目指すものは多様であっていい。違いを認めない、というほどに「みなが同じ」になることは、はたして平等なのか、と問いかける本作は、エンタメというには重たそうだけど、エンタメというとっつきやすさを借りて多くの人の考えるきっかけになるといいな。

 

 

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