つぎはコレ読みたい ~コージーミステリ三昧~

果てしない積読山脈をじりじりと登攀中。さらに山を高くするべく(?)新刊の中から自分が読みたい本、みんなに読んでほしい本を紹介しています。ミステリ全般、コージーミステリ、SF&ファンタジーを中心に。

気になる新刊 ~2019年5月~

 

Dying for Devil's Food (Cupcake Bakery Mystery Book 11) (English Edition)

Dying for Devil's Food (Cupcake Bakery Mystery Book 11) (English Edition)

 

 

『Dying for Devil’s Food』 by  Jenn McKinlay

シリーズ名:Cupcake Bakery #11

カテゴリ: コージーミステリ

 

 15年ぶりに開かれる高校の同窓会だというのに、メラニー(メル)・クーパーはこれっぽっちも興味がないようす。アンジーはそんな彼女をどうにか出席させることができてほっとしたのもつかの間、メルのライバルだったキャシディが喧嘩をふっかけてきた! 相手にするのをやめようとメルが帰ろうとしたとき、女子トイレで死んでいるメルが発見された。そばには口紅で書かれた、メルを名指しするメモが……。

 

 《カップケーキ探偵》シリーズは何巻まで出たんだっけ? RHブックスと運命とともにしたのだったかしら……(涙)。原書のほうは順調に巻を重ねて11作目となりました。こういうお気楽路線のコージーはたくさんあるのに(ていうか、ありすぎるせいなのか?)なかなか翻訳されないのはさみしい。出てもあとが続かないことも多いし。少部数でもいろいろ出してくれたら、コアなファンだけでも盛り上がれるのになぁ……なんて妄想だけど。

 

 

#YouToo (Dr Jocasta Hughes Mysteries Book 3) (English Edition)

#YouToo (Dr Jocasta Hughes Mysteries Book 3) (English Edition)

 

 

『#YouToo』 by  Candy Denman

シリーズ名: Dr Jocasta Hughes Mystery #3

カテゴリ: スリラー

 

 最初は、それぞれ独立した事件と思われていた。だがスキャンダラスで残忍な類似事件が重なるにつれて、非常勤の法医学者ドクター・ジョカスタ(ジョー)・ヒューズにはそのつながりが見えてきた。背景を探るうちに、まだ次があることを確信するジョー。しかも、次に狙われるのはおそらく、スティーブ・ミラー警部だ。

 

 イギリス南部のヘイスティングスでふだんは町医者として働くジョーは、要請があったときだけ警察に協力する法医学者。地元警察のミラー警部とは友達以上恋人未満?な関係らしい。作者は看護師の仕事と並行してドラマの脚本も手掛けてきたそうで、現在は創作に専念しているようだ。キンドル版ならお手頃価格なこのシリーズ、通して読んでみたい。

 

 

The Red-Stained Wings: The Lotus Kingdoms, Book Two (English Edition)

The Red-Stained Wings: The Lotus Kingdoms, Book Two (English Edition)

 

 

『The Red-Stained Wings』 by  Elizabeth Bear

シリーズ名:The Lotus Kingdoms #2

カテゴリ:ファンタジー

 

 偉大なる魔術師メサリンからの伝言を携え、ロータス王国のひとつサラサイの女王のもとへやってきた自動機械のゲイジとデッドマンだが、その伝言は謎ときをしなければ読み解けないものだった。だがそれを届けるべき先であるロータス王国は分裂戦争の真っただ中にあった。

 魔術師メサリンが作りだした自動機械ゲイジは、メサリンの死後、傭兵となっている。一方、同行するデッドマンは、権力の座を追われたユスマン・カリフェイトの警護の生き残りだ。ふたりはある意味、友人でもあった。

 

 『スチーム・ガール』、〈サイボーグ士官ジェニー・ケイシー〉シリーズが邦訳も出ているヒューゴー賞作家の新作。

 〈ロータス王国〉シリーズとしては2作目となるが、このシリーズそのものが〈エターナルスカイ〉という別シリーズの続きということになっている。世界観を引きつぎながらも新しいストーリーラインだそうなので、まずはこのシリーズを追ってみたい。

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 こちらもいかが?

 

スチーム・ガール (創元SF文庫)

スチーム・ガール (創元SF文庫)

 

 

 

HAMMERED―女戦士の帰還 (ハヤカワ文庫 SF ヘ 9-1 サイボーグ士官ジェニー・ケイシー 1)

HAMMERED―女戦士の帰還 (ハヤカワ文庫 SF ヘ 9-1 サイボーグ士官ジェニー・ケイシー 1)

 

 

 

SCARDOWN―軌道上の戦い― [サイボーグ士官ジェニー・ケイシー2] (ハヤカワ文庫SF)

SCARDOWN―軌道上の戦い― [サイボーグ士官ジェニー・ケイシー2] (ハヤカワ文庫SF)

 

 

ウェディングケーキにご用心 カップケーキ探偵1 (RHブックス・プラス)

ウェディングケーキにご用心 カップケーキ探偵1 (RHブックス・プラス)

 

 

 

恋するベーカリーで謎解きを カップケーキ探偵2 (RHブックス・プラス)

恋するベーカリーで謎解きを カップケーキ探偵2 (RHブックス・プラス)

 

 

気になる新刊 ~2019年4月~

 

Next Girl to Die (The Calderwood Cases Book 1) (English Edition)

Next Girl to Die (The Calderwood Cases Book 1) (English Edition)

 

 

『Next Girl to Die』 by Dea Poirier

シリーズ名:The Calderwood Cases #1

カテゴリ: サスペンス

 

 15年まえに姉レイチェルを殺されたクレア・カルダーウッドは、その後故郷を離れて刑事になった。その故郷で、レイチェルと同様の手口で殺人事件が起きたことで、クレアはふたたび過去に呼び戻される。捜査を開始してまもなく、記者のノア・ワシントンがしつこく質問してくるのに閉口するが、少しずつレイチェルの死の真相がわかってくるにつれて、ノアを頼りにするようになっていく。

 

 若い時に近しい人を事件・事故で亡くして後に警察や司法に関わる職に就いた主人公が未解決の過去の真相を探る……という設定は珍しくはないし、この作品が他とは違う特別なものを持っているとも限らないけれど、この表紙の雰囲気が好き(ジャケ買い、てやつですね)。

 ナンバーワンよりオンリーワン、なんて言うけど、似たり寄ったりのワン・オブ・ゼムだってひとつひとつの細部は違うわけで、そういう意味では「またひとつのこういうケース」をいくつでも読みたいということはあるのです。

 

 

 

Staging is Murder (A Laura Bishop Mystery Book 1) (English Edition)

Staging is Murder (A Laura Bishop Mystery Book 1) (English Edition)

 

 

『Staging is Murder』 by Grace Topping

シリーズ名: Laura Bishop Mystery #1

カテゴリ: コージーミステリ

 

 ローラ・ビショップが初めてつかんだホームステージングの仕事は、19世紀にたてられた屋敷だった。もう何十年も手を入れていないオンボロ屋敷を、今の時代に売れるように装飾しなおすのだ。ところが、ランドリーシュートを死体が滑り落ちてきたとなれば、花模様の壁紙を張り替えるだけでは仕事は終わらない。ましてやアシスタントが容疑者にされてしまうなんて!

 始めたばかりの事業を続けていくには一日も早く事件を解決してもらわなければ。それなのに、事件を担当する刑事と不動産業者というふたりのイケメンは話をややこしくするばかり。何かというと星占いを振りかざしてくる親友や頑固者のおばあちゃんの口出しをかわしつつ、ローラは廃業の危機を回避できるのか?

 

 日本ではなかなか根付かないようですが、アメリカではホームステージングという職業はそれほど珍しくないようですね。中古住宅を売るために、新築と同じように室内装飾を施してみせるものです。新築の住宅ではモデルハウスに家具家電を設置して生活をイメージしやすくするのは一般的なのに、中古の場合は壁や床の張り直しなどリフォームが優先されるので、買い手が見せられるのはキレイだけど空っぽの室内、ということが多いのでは?

 テクニカルライターとして、長年にわたってムダもなければ面白みもない文章をつづってきた作者は、これまでに出会ってきた「イヤなやつら」をフィクションの中でひどい目に合わせるのを楽しんでいる(笑)そう。

 

 

The King Who Disappeared (English Edition)

The King Who Disappeared (English Edition)

 

 

『The King Who Disappeared』 by Hank Quense

シリーズ名:ノンシリーズ

カテゴリ:ファンタジー

 

 邪悪な魔術師ジェラドにかけられた魔法によって、ボーハン王は200年もの間、閉ざされた洞窟にとらわれていた。王のおかかえ魔術師アンスガーは王とその従者たちを眠りにつかせたが、地震でその洞窟の入り口が崩れたとき、眠りの魔法もまた解かれた。

 王の一行は自分たちがどれほど長いあいだ眠っていたのか見当もつかなかったが、見回りにやってきたレティシアと名乗る女性から基本的な情報を教えてもらう。彼女はこの一行が学校で教わった伝説の〈消えた王様〉だと気づく。彼女は王に、現在この国を支配しているのはジェラドという魔術師だと告げる。

 ボーハン王は首都ダン・ハイスに行って復讐を果たそうと決意する。ジェラドの娘フラヴィアによって父を幽閉されているレティシアもまた、王に同行することにした。それに気づいたジェラドは娘フラヴィアと息子リスゴウにそれぞれ兵を与えて迎え撃たせるが、ダン・ハイスの市民は王の側につくことを決め、王たちを市内にかくまう。

 

 重厚なストーリーかと思いきや、ユーモアと風刺が盛りだくさんの痛快勧善懲悪ものらしいです。作者のハンク・クエンスはこのユーモアと風刺が大好きなようで、他の作品もこういう作風なんだとか。小学生を対象に小説の書き方やキャラクターの作り方を教えることもあるというから、「とにかく面白いのがいちばん!」という考えなのでしょう。ならば、読むほうもとにかく楽しんだもの勝ち!

 

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気になる新刊 ~2019年3月~

 

 

Silent Bud Deadly by H.Y. Hanna

シリーズ名:English Cottage Garden Mystery #2

カテゴリ: コージーミステリ

 

 イギリスの片田舎にあるコテージをその庭園と茶トラのオス猫ともども相続したポピーだが、パンジーペチュニアの区別もつかないところからガーデニングを始めることになった。

 新天地での生活もようやく落ち着き、どうにか仕事も見つかったばかりだというのに、またしても近所で殺人事件が発生! いたってマイペースな隣人のニックをはじめ、一癖も二癖もある村人たちをかきわけて、真犯人をみつけられるのか?!

 

 Deadhead and Buriedに続くイングリッシュコテージガーデンを舞台にしたシリーズ2作目。作者は台湾出身で、オックスフォード大学卒業後、フリーランスのジャーナリストとして世界各地を飛び回りつつ、英語圏各地で短編や詩を発表し、賞をとった作品もあるそう。

 このシリーズのセールスポイントのひとつが「クリーン」であること。過激な暴力や性描写、汚い言葉がでてこない、ということ。それじゃものたりない、という人はどうぞスルーして。そういうものがなくても面白いミステリーであることがコージーの王道なわけで。

 

 

 

A Beautiful Corpse: A Harper McClain Mystery (English Edition)

A Beautiful Corpse: A Harper McClain Mystery (English Edition)

 

 

A Beautiful Corpse by Christi Daugherty

シリーズ名: Harper McClain Mystery #2

カテゴリ: サスペンス

 

 女性にとって、きみを愛していると言ってせまってくる相手に殺されることは珍しくもなんともない。

 風光明媚なことで知られるジョージア州サヴァナの一角で女性が殺された事件は街を震えあがらせたが、ハーパーには他人事ではすませられない事情があった。被害者の顔に見覚えがあったのだ。

 法律を学ぶ大学生ナオミ・スコットは、バーテンダーとして働きながら世界を変えることを夢見ていた。彼女が銃で殺されたとき目撃者はなく、警察が目をつけた容疑者は3人。過去に犯罪歴のあるボーイフレンド、別のバーテンダーを追いかけまわしていたことがある上司、以前ナオミと交際していた地方検事の息子。3人ともナオミを愛していた、と主張するが……?

 新聞社がリストラに乗りだし、失職の危機に面しながらも事件の真相を探るハーパーだが、彼女自身もまた見張られているような感覚におそわれる。

 

 作者は22才で新聞記者になったことで殺人事件を取材するようになり、ペンネームでYA作品をいくつか発表した後、The Echo Killingに始まる事件記者ハーパー・マクレインシリーズでミステリー作家デビューを果たした。

 1作目では、新聞記者となったハーパーが追っていた事件が、彼女が12才のときに惨殺された母親の事件とそっくりで、同一犯を疑って調査を進めた。観光客に大人気の上品な街に生まれ育ちながら、苦い思いを抱えて生きるヒロインの活躍に期待が膨らみます。

 

 

 

The Women's War (English Edition)

The Women's War (English Edition)

 

 

The Women’s War by Jenna Glass

シリーズ名:The Women’s War #1

カテゴリ:ファンタジー

 

 高貴な人々にとって、なによりもまず果たすべき使命が「世継ぎたる男児を得ること」であった場合、女性は男性の所有物であり、交渉のための駒として扱われがちだ。だが、世界を揺るがした魔法の余波が人の体にも文化にもしみわたるにつれて、女性たちは自ら交渉権を手に入れる。

 国王の娘でありながら相続権をもたないアリスは、10代の子供2人を残して夫に先立たれていた。王国内では彼女は存在しないに等しい扱いを受けていたが、この魔法の余波によって、これまで男のものとされてきた政治と魔法について、非凡な才能が芽生えたことに気づく。

 隣国では、国王をはじめ王位継承権者が次々と命を落としたため、そんなことをまったく想定していなかった王の孫娘エリンが王座につくことになった。誰もが当然のごとく、彼女が早々に結婚して夫に王座を明け渡すだろうと考えたが、エリン自身には別の考えがあった。

 家父長制度を脅かす魔法を女性たちが身につけたとき、権力を失うまいと必死の男たちとの戦いが始まる。

 

 

 作者のジェナ・グラスは米デューク大で自然人類学を学んだが、霊長類研究への情熱を創作へと方向転換し、ジェナ・ブラック名義でYAやロマンス作品を発表してきた。本作がJ・グラス名義でのデビュー作となる。

 女性だけが特別な力を得て男女の力関係が逆転するという設定はナオミ・オルダーマン『パワー』でも見られたが、舞台が近未来のアメリカとファンタジー世界とではまた男女の格差の重みも違い、ファンタジー世界ならではのダイナミックな戦いが期待できそう。

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気になる新刊 ~2019年2月~

 

 

『Welcome to Spicetown』 by Sheri Richey

シリーズ名:Spicetown Mystery #1

カテゴリ: コージー

 

 オハイオ州の片隅にある小さな町スパイスタウン。シルバー世代が挙動不審になったり、コピー商品を売る店が開店したり、新年を祝う花火の装飾が消えうせたり・・・おかしなことが立て続けに起きているとなれば、町長も警察も安穏としているわけにはいかない、よね?

 

 紙での出版がなくキンドルのみ、格安、というあたりからも自費出版と思われます。内容説明も乏しく、先行して読んだ人の感想も見当たらないので判断が難しいところですが、私的にはこの表紙のイラストがかわいらしくていいな、と思いました。171ページは長めの中編というところ。正直、この分量にミステリ要素とロマンス要素を詰めこんだらほとんどあらすじじゃないかという気もしますが、〈Eden Hall〉というロマンスのシリーズをすでに5作も書いている作家さんだし、お手並み拝見といきましょう。

 

 

Remember Me: An absolutely gripping psychological thriller with a brilliant twist (English Edition)

Remember Me: An absolutely gripping psychological thriller with a brilliant twist (English Edition)

 

 

『Remember Me』 by D. E. White

シリーズ名:

カテゴリ: スリラー

 

 15年前、ウェールズ地方の小さな村からエレン・スミスが姿を消し、それ以来誰も彼女を見た者はいなかった。事件当夜、現場近くにいた8人はその後それぞれの道を進み、それぞれの秘密を抱えていた。

 エレンの親友エイヴァ・コールは故郷を離れて警官になった。だが元夫がガンで死の淵にあると知らされ、ずっと会っていなかった息子に会うため、事件のあった村に帰ってみると、皆が口をそろえたように尋ねる:「本当はエレンに何があったの?」

 関係者たちが秘密にしていること、覚えていること、忘れてしまったこと・・・・真実を掘りおこすことはできるのか。

 

 ミステリーのシリーズ作品を書いてきたデイジー・ホワイトが別名義で書いた心理スリラーデビュー作。過去にあった事件の当事者のひとりが大人になって真相にせまる、といえばC.J.チューダー『白墨人形』を思いだしますが、こちらはゲラで読んだレビューアーの意見は分かれ気味? 星3つが一番多いという評価はやや辛口か。カバーデザインの印象としては、『白墨』が恐怖・虚無感があったのにくらべて、こちらはどこか悲哀・寂莫を感じるというか、感傷的というか。

 

 

 

The Priory of the Orange Tree (English Edition)

The Priory of the Orange Tree (English Edition)

 

 

『The Priory of the Orange Tree』 by Samantha Shannon

シリーズ名:

カテゴリ:ファンタジー

 

 千年にわたってイニスを収めてきたベレスネット家だが、現女王サブラン九世にはまだ世継ぎの娘がいない。王国を守るためには何としても娘が欲しい女王だが、そんな彼女に暗殺者が忍び寄る。

 宮廷内ではのけ者にされながらも女官の職を得たエアード・デュリャンは、じつは魔法使いの秘密結社に忠誠を誓っている。女王サブランの身の回りに油断なく目を光らせ、禁断の魔法で女王を護っている。

 暗黒の海の向こうでは、ドラゴンライダーになるべく修行を重ねてきたタネィが、この先の人生を引き裂かれるような選択を迫られる。

 

 

 女系の王家に警護の女官、竜使いも女性。マーガレット・アトウッドにも刺激を受けたという著者が挑むエピックファンタジーなら、女性たちの快進撃が期待できるに違いないのでは? 800ページを超す重量級ながら挑戦しがいがありそう。

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気になる新刊 ~2019年1月~

 

Dead as a Door Knocker: A House-Flipper Mystery (English Edition)

Dead as a Door Knocker: A House-Flipper Mystery (English Edition)

 

 

『Dead as a Door Knocker』 by Diane Kelly

シリーズ名:House-Flipper Mystery #1

カテゴリ:コージー

 

 企業の資産管理部門で働いていたホイットニーだが、いずれは中古住宅をリノベーションして転売するというのを仕事にしたいと思っている。そんな彼女がいとこにも資金協力してもらい、複雑怪奇な書類手続きを乗りこえてようやく手がけることになったボロ家には、後から後から問題続出。その極めつけが、彼女の飼い猫ソウダスト(おがくずの意)が花壇で見つけた死体が売主のものだったこと。すでに抵当に入っているこの家が抵当流れになってしまえば大損だ。そうなる前に事件を解決しなければ!

 

 作者ダイアン・ケリーは元税務顧問で、その経歴を活かしたロマンティックミステリシリーズや、警察官体験プログラムの経験からヒントを得た警察犬が活躍するシリーズが人気。

 この新シリーズで取りあげるテーマは「ホームリノベーション」。アメリカでは自宅の改装・改築を自力でやろうとする人は多く、それが高じて趣味に、さらにはそれを仕事に、というルートが珍しくないのか、ホームリノベーションものはいろいろな作品が出てますね。そして古い家にはいろんなモノが隠されていたり隠れていたり……。どんな話が転がり出てくるか、今後も楽しみなシリーズです。

 

 

 

The Family Secret: A gripping emotional page turner with a breathtaking twist (English Edition)

The Family Secret: A gripping emotional page turner with a breathtaking twist (English Edition)

 

 

『The Family Secret』 by Tracy Buchanan

シリーズ名:ノンシリーズ

カテゴリ:スリラー

 

 10年前に子供を亡くしてから、アンバーは自分のギフトショップの経営に没頭してきた。一時停止したような時間を生きていたある日、アンバーは近くの海岸でひとりの少女を保護する。怪我をしたその少女は、自分の名前も、どこから来たのかも覚えていなかった。

 グウィネスは野生動物のドキュメンタリー制作という仕事のため、世界中を飛びまわっている。スコットランドにいたとき、凍えるような湖で溺れそうになったグウィネスはマクラスキー一家に助けられ、彼らの家に滞在することになるが、この一家にはある秘密が隠されていた。

 

 2つの時間軸を行きつ戻りつしながら進むストーリーで、家族というもの、家族だからこその秘密、喪失や愛について語られる。家族ドラマを得意とする作者ならではの辛さも愛おしさも心に染み入るような作品。

 

 

The Gutter Prayer (The Black Iron Legacy Book 1) (English Edition)

The Gutter Prayer (The Black Iron Legacy Book 1) (English Edition)

 

 

 

『The Gutter Prayer』 by Gareth Ryder-Hanrahan

シリーズ名:The Black Iron Legacy #1

カテゴリ:ファンタジー

 

 人間と魔術師、古きものどもが100年も続けてきた魔術戦争に放りこまれたのは、3人の若き盗賊たち。盗賊ギルドの長に裏切られた彼らは復讐を誓うが、その過程で彼らが住む街の黒い真実があばかれ、彼らが生まれる前から仕組まれてきた、危険に満ちた陰謀も明らかになってくる。

 孤児のカリは過去も未来も闇に包まれた放浪者。悪鬼(グール)のラットの氏族は街の地下世界を脅かす。ストーンマンのスパーはおそろしい病のために体がしだいに石化していく。最終決戦に立ち向かう彼らを支える絆とは。

 

 トールキンの『指輪物語』の舞台〈中つ国〉に関する著作もあり、クトゥルー神話にも通じていて、ゲームデザイナーでもある作者、というだけでもう、いろいろ期待してしまう。RPGやホラーなどゲームを原作とする小説や、ゲーム化される小説が注目される昨今、気になる作家、シリーズになりそう。

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気になる新刊 ~2018年12月~

 

One Taste Too Many (A Sarah Blair Mystery Book 1) (English Edition)

One Taste Too Many (A Sarah Blair Mystery Book 1) (English Edition)

 

 

『One Taste Too Many』 by Debra H. Goldstein

シリーズ名:Sarah Blair Mystery #1

カテゴリ:コージーミステリ

 

 18歳で結婚、28歳で離婚したサラ・ブレア。生まれてから一度も離れたことのない故郷の町で極狭アパートと法律事務所での受付の仕事を手に入れるも、双子の妹エミリーが地元の高級レストランでシェフとして活躍するのとは対照的に料理は大の苦手。

 人生の再出発は甘くないとは覚悟していたけれど、エミリー自慢のデザートを食べた元夫が急死したことで事態はさらに悪化。殺人容疑をかけられたエミリーを救うため、じっとしてはいられない……とはいえ、キッチンに立つのは死ぬよりつらい!?

 

 出版業界から行政法判事に転身するという経歴を持つ著者はシスターズ・イン・クライムで最大支部支部長や米探偵作家クラブ(MWA)の支部長も務めている。長編はこれが3作目ながら、短編ではアンソニーやアガサ賞にもノミネートされるなどなかなかの実力者と思われます。シャム猫の活躍も期待できるかも? そしてお約束、(サラでも作れる?)簡単レシピつき。

  

The Au Pair (English Edition)

The Au Pair (English Edition)

 

 

『The Au Pair』 by Emma Rous

シリーズ名:ノンシリーズ

カテゴリ:サスペンス

 

 ステファニーと双子の弟ダニーを生んだ数時間後に崖から身を投げた母。住み込んでいた〈オ・ペア〉も失踪し、海辺の村にはさまざまな憶測が飛び交った。

 大人になったステファニーは、父の遺品を整理していて不審な家族写真を見つける。夫と幼い息子に囲まれて穏やかに微笑む母の腕に抱かれている赤ちゃんは、1人だけだった。ダニーとは双子ではなかったのか? あの日、家族に何があったのか? 答えを知っているはずのただ1人の女性を、ステファニーは見つけることができるのか。

 

 こちらは獣医師から作家への転身をとげた著者のデビュー作。書評誌や女性誌で「2019年に読むべき本」的なリストにいくつもエントリーされている話題作。

 

 

 

 

 

『The Bastard Prince』 by Patty Jansen

シリーズ名:Dragonspeaker Chronicle #1

カテゴリ:ファンタジー

 

 サールダムの摂政バーナードの屋敷で台所女中をしているネリーは、2代にわたる王と摂政に仕えてきた。2つの王室が魔法によって殺されるのも目の当たりにしてきた彼女が50歳の誕生日をむかえたとき、亡父の日記を手に入れた。日記には、教会の地下に安置しておかなくてはならない、ドラゴンを閉じ込めた箱に関する記述があった。だがその箱が何者かに盗みだされてしまったのだ。

 バーナードが長男の誕生日を祝う宴を催したとき、各地から客人が招かれた。その中のひとりの貴族が持ち込んだ荷物の中に、ネリーはドラゴンが入った箱を見分ける。しかし、バーナードが魔法の根絶を拝命していた事情もあり、ネリーは波風を立てないようおとなしくしているつもりだった。

 だがドラゴンのほうは、おとなしくしているつもりなどこれっぽっちもなかった。

 

 ファンタジーのシリーズ作品をいくつも出しているベテランながら、日本ではまだ紹介されていないようで残念。このDragonspeaker Chronicleは3部作で、3冊とも同時発売。

 

 

 

 

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気になる新刊 ~2018年11月~

お待たせしました。

先月末に身内が骨折して入院だなんだと落ち着かず、あっという間に11月になってしまいましたね。今月も面白そうな新作がたくさんなんですが、3冊選びましたよ。

 

In Peppermint Peril: A Tea and a Read Mystery (English Edition)

In Peppermint Peril: A Tea and a Read Mystery (English Edition)

 

 

『In Peppermint Peril』 by Joy Avon

シリーズ名:Tea and a Read Mystery #1

カテゴリ:コージーミステリ

 

 本をテーマにしたティーパーティを手伝うことになったキャリー・アスペンが、ボストンテリアをお供に難事件に挑む。

 キャリーの大おばが経営するティールーム〈ブック・ティー〉では、古今の本にちなんだスイーツが評判だ。クリスマスを前に地元の裕福な未亡人ドロテアに頼まれ、彼女が住むヘイウッド・ホールでのティーパーティを仕切ることになったキャリー。ドロテアは親族や友人、街の有力者を招いて、自分の遺書について重大発表をするつもりなのだ。

 一部なりとも遺産をもらえるつもりで集まった人々を前に、キャリーの友人シェイラが娘の婚約を発表したことで、話がどんどんこじれていく。婚約指輪が行方不明になり、サンルームには死体が……。

 

 

 ローナ・バレット〈本の街の殺人〉シリーズや、ジェン・マッキンリー〈カップケーキ探偵〉シリーズがお好きならきっと楽しめそう。ただし、本の話はそれほどディープではなさそうなので、そこを期待するとちょっと……かも。本の話は風味付け程度に、田舎町の気心知れたどうしの愛憎劇3を楽しむつもりでどうぞ。

 

 

 

The Snow Girls (English Edition)

The Snow Girls (English Edition)

 

 

『The Snow Girls』 by Chris Mooney

シリーズ名:Darby McCormick #8

カテゴリ:ミステリ

 

 ボストン警察科学捜査官のダービー・マコーミックは、11年前に失踪したクレア・フリンの事件を覚えていた。容疑者はただ一人、他に2件の失踪事件でも疑われたバーン神父だったが、証拠がつかめていなかった。

 そのバーン神父が自分の死期を悟ったとき、話をしたいと望んだのがダービーだった。ついに告白するのかと思いきや、神父ははるかにおぞましい話をしたのだった。

 

 10年くらい前にシリーズ1作目の『贖罪の日』(講談社文庫)くらいしか紹介されていないクリス・ムーニーですが、新作は同じくダービー・マコーミックを主人公とするシリーズ8作目。カレン・ローズとかリサ・ガードナーあたりのロマンティックサスペンス(?)スリラー(?)系統のようです。科学捜査班(CSI)メンバーといっても、科学捜査自体を詳しく語るというわけでもなさそうなので、そちら方面を期待するとがっかりするかも。

 

 

The Winter Road (English Edition)

The Winter Road (English Edition)

 

 

『The Winter Road』 by Adrian Selby

カテゴリ:ファンタジー

 

 偉大なる帝国はすべて、1本の道から始まった。

 すべての道は、戦いに通じている。

 

 ベテランの元傭兵テイア・アモンゼンは、〈サークル〉と呼ばれる危険な森に道を切り開こうとしていた。テイアはかつてそこに暮らしたことはあったが、氏族どうしの争いが絶えず、危険が多すぎるため、まだ誰もその森を制した者はいない。だがいま、その氏族をまとめ、人々を脅かして〈サークル〉に君臨しようとする者があらわれた。

 隊商の一員として息子とともに〈サークル〉に点在する開拓地を回りながら、いつかこれらの拠点を通商ルートで結ぶのがテイアの夢だ。しかし、ある氏族の若き後継者がホワイトボーイズと名乗る仲間を引きつれて暴力と恐怖で各氏族を支配しようと動き始め、平和的な発展を望むテイアの前に立ちはだかる。

 

ノンシリーズのダークファンタジー。デビュー作『Snakewood』と同じ世界観のなかでありながら、別のストーリーということらしい。植物の使われ方がユニークで、病気やけがの治療のほか、心身の能力を高めたり毒薬にするためのレシピなども出てくるそうで、魔術ではないけれど魔術風味も味わえそう。

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